OpenIDファウンデーション・ジャパン(OpenIDF-J)は2009年12月8日、OpenIDを使った安全な送金・決済方法を検討する「決済ワーキング・グループ」を設立した。7日に政・府令案が公表された「資金決済法」に対応するため。この新たな法律を順守しつつ、安全で利便性の高い送金・決済サービスの実現方法をガイドラインとして策定する。

 資金決済法は銀行免許を持たない事業者でも、100万円以下の金額であれば資金移動を可能にする法律。クレジットカード会社を介さずにネット通販で支払いできるようになったり、銀行振り込みなどせずに個人間でネットで送金できるようになったりする。早ければ2010年4月にも施行予定で、新たな送金・決済サービスを提供する事業者が登場する見込みだ。

 OpenIDF-Jでは資金決済法に基づくインターネット上での送金・決済事業について、10年4月までに情報安全管理、委託業務、当人・身元確認の三つの観点からガイドラインを策定する。「OpenIDの利用は前提とせず、Web業界にとって標準的なガイドラインとして使えるようにする」(OpenIDF-J事務局の内山昇氏)。多くの事業者にとって使いやすいガイドラインにするため、2~3月に草案を公表してパブリックコメントを広く募集する予定だ。

 その後、OpenIDを利用したサービスに実装するための「OpenID適用ガイドライン」を策定する。OpenIDを利用すれば、異なる送金事業者の加入者同士での送金が可能になる。例えば送金事業者A社とB社がある場合、OpenIDなしではA社の加入者は同じA社の加入者にしか送金できない。OpenIDは認証結果や属性情報をサイト間で受け渡す技術であるため、これを使えばA社加入者とB社加入者の間での送金が可能になる。