図 字幕サービスのイメージ
図 字幕サービスのイメージ
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 日本放送協会(NHK)は2009年12月3日,NHKオンデマンド(NOD)事業の2年目に向けた新たな取り組みを発表した。

 ユーザーの利便性を高めるため,2010年4月に三つの対策を行う。まず,利用可能な環境拡大に向けて, Flash Videoによる映像配信に切り替える。現在,パソコン向けNODサービスについては,利用できるOSがWindowsのみ,ブラウザーはIE(Internet Explore)のみだった。Flash Videoによる配信に切り替えることで,今まで利用できなかったMac OSなどのOSや,Firefoxなどのブラウザーでも利用できるようになる。
 
 二つ目の対策として,現在提供している1.5Mb/sおよび768kb/sのビットレートに加えて,384kb/sのビットレートでの配信も開始して,低速な回線でも利用できるようにする。さらに,パソコン向けサービスの見逃し番組の一部について,字幕サービスを試行する(図)。2010年4月の開始当初は1日につき4~5番組程度で行う予定である。 字幕表示は放送と同様に,表示/非表示の切り替えをできるようにする。2010年4月の試行を踏まえて,対象番組の拡大を検討する。

NHKはこれらの対策の発表に合わせて,IPTVフォーラムなどで検討して規格化した放送・通信連携機能を利用したサービスを開始したことも明らかにした(関連記事へ)。このサービスの開始により,インターネットを使うデータ放送サービスの「NHKデータオンライン」の画面から,アクトビラおよび一部のケーブルテレビ(CATV)のNODサービスのトップ画面への移動を実現した。放送・通信連携機能に対応している受信機やSTB(セットトップ・ボックス)においてのみ,移動用のボタンが表示される。「これを最初のステップとして,一層の放送・通信連携機能を利用したサービスの実現についても検討を進めていく」(NHK)という。

 さらにNHKは,NODのコンテンツ拡充についての発表も行った。2010年1月1日から「大河ドラマ 篤姫」(2008年放送)を,同年1月8日から「ドラマスペシャル 白洲次郎」(2009年放送)を特選ライブラリーで配信する。さらに2010年2月13日から,カナダのバンクーバーで開催される「第21回冬季オリンピック」の総合テレビの中継番組を,放送後に見逃し番組サービスで配信する。配信期間は30日間という長期配信で,オリンピック終了後も視聴できるようにする。