CDC Software ジャパンは2009年11月30日、プロセス型製造業向けERP(統合基幹業務システム)パッケージの新版「Ross ERP6.1J」を出荷すると発表した。Ross ERPは以前は「i-Renaissance(アイ・ルネッサンス)」の名称で販売されていたERPパッケージ。同社のアニル・ドウィヴェディ社長は「新たなブランド名として初めて日本市場に投入する。これまで手薄になっていた食品・飲料や中堅中小企業に積極的に販売していきたい」と話す。

 Ross ERP6.1Jでは、消費期限管理やロット追跡管理といった機能を追加したほか、Web環境で利用できるようにした。日本の商習慣や会計制度への対応も強化。手形管理や固定資産管理の機能を新たに搭載した。12月末までに発売予定のEPM(エンタープライズ・パフォーマンス・マネジメント)ソフトと連携すれば、Ross ERPが持つ経営情報を分析できる。

 価格は84万円(1ユーザー)から。パートナー経由での販売を中心に据える。パートナーは現在、イーパックシステムズ、システムプラザ、電算システム、日立情報システムズ、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリの5社。初年度で1500ユーザーライセンスの販売を目指す。

 CDC Software ジャパンはRoss ERPと同時に、CRM(顧客情報管理)ソフトの新版「Pivotal CRM6.0」も出荷する。カスタマイズにマイクロソフトの開発・実行環境「 .NET」を利用できるようにし、マイクロソフト製品との親和性を高めた。これまではPivotalの独自言語のみ利用できた。

 新版ではマイクロソフトの文書共有ソフト「SharePoint Server 2007」の機能を利用して、担当者ごとにカスタマイズしたポータルを構築できる。Ross ERPと同様にWeb環境で利用可能にした。ドウィヴェディ社長は「Pivotalは業種を選ばない製品。業種、企業規模を問わず幅広い顧客に販売していきたい」と話す。

 Pivotal CRMがサーバーライセンスが350万円で、ほかにユーザーライセンスが必要。ユーザーライセンスは1万2600円(1ユーザー)から。JTS、富山コンピュータ、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリという3社のパートナーを通じて販売する。初年度2000ユーザーライセンスの販売を目指す。