経営再建中のカナダ通信機器大手Nortel Networksは現地時間2009年11月25日,同社GSM事業の売却先が,スウェーデンEricssonとオーストリアKapsch CarrierComに決定したと発表した。23日に行った事業売却オークションで2社が共同入札し,1億300万米ドルで落札した。今後裁判所の承認を経て2010年第1四半期にも売却手続きを完了する予定。

 Ericssonは北米のGSM事業を買収する。Kapschは欧州と台湾のGSM事業と,全世界のGSM-R(GSM for Railways)事業を買収する。これに伴い2社は各地域の顧客,製品,関連特許,ライセンスなどの権利を得る。約680人の従業員が両社に移管されるとNortelは見込んでいる。

 Nortelは2009年1月に破産申請して以来,各事業部門の売却を進めている。そのうちEricssonはCDMAとLTE(Long Term Evolution)事業を11億3000万ドルで落札(関連記事:Nortelの北米CDMA/LTE関連事業,Ericssonが11億3000万ドルで落札)。米国とカナダの裁判所の承認を得て11月13日に買収手続きを完了している。この2つの買収によりEricssonの北米における従業員数はこれまでの5000人から1万4500人に増える。

 このほか,Nortelの企業向けソリューション事業を米Avayaが買収することが決定しており,現在各国裁判所の承認待ち(関連記事:AvayaがNortelの企業向けソリューション事業を9億ドルで落札)。またNortelは11月23日,光通信/Ethernet事業を米Cienaが約7億6900万ドルで落札したと発表している(関連記事:Ciena,Nortelのネットワーク製品技術や人材の買収で合意)。

[発表資料]