インターナショナルシステムリサーチ(ISR)は,同社がGoogle Appsユーザー向けに提供しているシングル・サインオン(SSO)・サービス「Cloud Gate Single Sign On(以下,Cloud Gate SSO)ASPサービス」を強化した。同サービス用のシステムをAmazon EC2上で稼働させることで,ユーザー・アカウントの追加や削減を短期間でできるようにする。2009年11月20日に提供を開始しており,12月末までに実際に導入する企業が出てくる見込みである。

 新サービスの名称は「Cloud Gate SSO ASPサービス シングルモード」。ISRはCloud Gate SSO ASPサービス用の共用システムを,国内の協力データセンターで稼働させている。新サービスではこれに加え,Amazon EC2で稼働する専用システムを追加した。

 新システムでは,従来よりも短期間で大量のユーザー・アカウントを追加できる。「Cloud Gate SSOのEC2版では,1週間で数万アカウントの追加が可能だ。Google Apps自体のアカウント追加には2週間かかるので,それを待っている間に十分終えられる」(ISR)。従来は最短でも1カ月程度かかっていた。

 ISRのメンデス・ラウル社長は「当社はGoogle Appsの開発パートナー第1号として,2008年3月から30社強,計2万5000アカウントを提供してきた。2009年10月ころから引き合いが急増すると同時に,導入の検討期間が短くなった。様子見をしていた大企業も来期の導入に向け動き始めた」と語る。今回のサービス拡張は,大手グローバル企業から「数万アカウント規模のシステムを短期間で使えるようにしたい」という引き合いが寄せられたことをきっかけに実施したものだ。

 同社はCloud Gate SSO ASPサービスを,Google Appsとセットで顧客に提案している。利用料金は1アカウントあたり年額1200円で,今回投入するEC2版も同じ料金にする予定だ。ただし,EC2で稼働させるメリットとして,大規模ユーザー向けの割引率が従来よりも大きくできるという。同社は2010年中に,同サービスを3万アカウント導入する計画だ。