2010年度予算の無駄な概算要求を判定する「事業仕分け」で、次世代スーパーコンピュータ事業を事実上の凍結と判定したことについて、菅直人副総理や民主党の有力議員ら政府・与党から異論が出てきた。

 スパコン事業は11月13日に、政府の行政刷新会議によって「予算計上の見送りに限りなく近い縮減」と事実上の凍結の判定を受けていた(これまでの経緯はこちらを参照)。関係者がこれに猛反発。18日に大学教授らで組織された「計算基礎科学コンソーシアム」(代表=宇川彰筑波大学副学長) が「スパコン開発を進めることは死活的重要性を持つ」などとする緊急声明を発表していた。

 これを受け菅副総理は2009年11月20日、衆院内閣委員会で「スパコンは極めて重要なためもう一度考えなければならない」と事業仕分けの判定を見直す考えを述べた。22日には事業仕分けを統括する民主党の枝野幸男衆院議員もテレビ番組に出演し、「文部科学省からきちんとした説明がなかった」と菅副総理の意向を汲む考えを示した。

 ただし、仙谷由人行政刷新相は23日、記者団に対して凍結の見直しは「今後の検討次第」としており、スパコン事業の先行きは依然として不透明な情勢が続いている。