写真●Windows Azureのライセンス体系と利用料金
写真●Windows Azureのライセンス体系と利用料金
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 PDC09で提供スケジュールが正式に発表されたMicrosoft版クラウドの「Windows Azure」。PDCでは,このWindows Azureのライセンス体系と利用料金についても明らかになった。利用料金は基本的にドル建てだが,日本のユーザーには1ドル98円で換算される予定である。

 Windows Azureの正式な提供スケジュールは,PDC初日のキーノートでMicrosoftのChief Software ArchitectであるRay Ozzie氏から明らかにされた。それによると,年内いっぱいがサービス開始前のプレビューにあたるCTP(Community Technology Preview)期間となり,2010年1月1日から正式サービスを開始。課金は,正式サービス開始1カ月後の2月1日から開始する。

 価格は,利用する仮想マシンの種類によって異なっている。いずれも1時間当たりの従量課金で,仮想プロセッサコア(1.6GHz動作,以下同)が1個でメモリーを1.75Gバイト搭載する「Small」構成の場合が0.12ドル,仮想プロセッサコアが2個でメモリーを3.5Gバイト搭載する「Medium」構成の場合が0.24ドル,仮想プロセッサコアが4個でメモリーを7Gバイト搭載する「Large」構成の場合が0.48ドル,仮想プロセッサコアが8個でメモリーを14Gバイト搭載する「X Large」構成の場合が0.96ドル--となる(写真)。

 この利用料金は基本的にドル建てだが,サービスを開始する各国の通貨に対して,Microsoftでは換算レートを用意している()。日本の場合は1ドル98円で換算。単純に計算すると,「Small」構成が11.76円,「Medium」構成が23.52円,「Large」構成が47.04円,「X Large」構成が94.08円となる(いずれも1時間当たりの価格)。この換算レートは3カ月ごとに見直す計画で,2月の課金開始時には変わる可能性がある。

表●Windows Azureライセンスの為替換算レート(2009年11月19日現在)
英ポンド 0.6061
豪ドル 1.25
加ドル 1.11
スウェーデンクローネ 7.5
スイスフラン 1.1
デンマーククローネ 5.46
日本円 98
ニュージーランドドル 1.563
ノルウェークローネ 6.15
ユーロ 0.7092

 なお,この料金はあくまで仮想マシンのコンピューティング処理能力を利用するためのものである。これ以外に,ストレージの容量やネットワークの転送量,利用するデータベースなどに応じて追加料金が必要となる見込みである。

 ちなみに,同社では従量課金制以外にサブスクリプション制での課金も導入を予定している。こちらの価格は,残念ながらPDCで明らかにされなかったが,「何カ月以上利用する」という最低契約期間を設定することで割安な料金を設定する見込みである。利用状況に応じて柔軟に契約体系を変更したいユーザーには向かないが,事前に必要となる費用を見積もっておきたいようなユーザーには適した課金体系となるだろう。