「BRIDGE 2009」の基調講演「ツイッター現象」に登壇したジャーナリストの津田大介氏(左)とウノウ社長 山田進太郎氏(右)
「BRIDGE 2009」の基調講演「ツイッター現象」に登壇したジャーナリストの津田大介氏(左)とウノウ社長 山田進太郎氏(右)
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 IT関連業界の有志らが主催・運営するBRIDGE 2009実行委員会は2009年11月19日、東京・渋谷で「ネットワークが生むイノベーション」をテーマとするイベント「BRIDGE 2009」を開催した。ミニブログ「ツイッター」が急速に人気を集める現象を読み解く基調講演、若い技術者などが開発したサービスを紹介するプレゼン大会などが行われた。

 基調講演「ツイッター現象」では、このほど「Twitter社会論」を上梓したジャーナリストの津田大介氏、ネット関連ベンチャーであるウノウの社長でツイッターの個人ページの視聴者が15万人を超える山田進太郎氏が登壇した。

 両氏はツイッターの魅力について、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のような友人とのコミュニケーションを深める機能、自らの意思で閲覧する多数の即時性の高い書き込みの蓄積がメディアとしても価値を高めていることなどを確認。「商品・サービス開発の過程をツイッターで発信する企業もある」(山田氏)と、従来は社外秘であることが多かった情報が、逆に企業の告知や閲覧者の反応を商品開発に活用される事例も紹介した。

 さらに、政府与党がこのたび行った予算概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」が、一般に開放された形で行われて注目を集めていることにも言及。「世の中は急速にインターネット的になってきている」(津田氏)と、インターネットの分野だけではなく、世論が政府や企業などにも透明性や開放的な取り組みを求めているという仮説が、ツイッター人気の背景にあることを示唆した。

 若い技術者などが行ったプレゼン大会では、タッチパネルで書いた図を市販の作図ソフト向けにデジタル変換するソフト「Pangaea」を開発した室蘭工業大学大学院博士課程の西川玲氏、人型ロボットの細かい動きをマウス操作で制御するソフト「V-Sido」を開発した産業技術総合研究所の吉崎航氏など11人が参加した。

 「BRIDGE 2009」は米IBM Venture Capital Group日本担当の勝屋久氏、コンサルティングなどを行う本荘事務所代表の本荘修二氏などが企画した。当日は大企業の新規事業開発担当者やベンチャー企業の経営者、若手の技術者など318人が参加した。