米マイクロソフトは2009年11月18日(米国時間)、開発中の「Internet Explorer 9」では描画が大幅に向上することなどを発表した。「PDC09」の基調講演でWindows&Windows Live担当プレジデントであるスティーブン・シノフスキー氏(写真1)が明らかにした。Windows 7の新機能である「Direct2D」を使用してフォントや画像の表示をすることが、性能向上に貢献するという。
シノフスキー氏はInternet Explorer 9がまだ開発の初期段階にあると説明し、具体的なリリース時期などは明らかにしなかった。Internet Explorer 8と比べて、Web標準への準拠具合を示す「Acid3テスト」のスコアも向上するほか(写真2)、JavaScriptの処理速度を示す「SunSpider」ベンチマークテストの結果もInternet Explorer 7/8を大きく上回り、競合ブラウザに匹敵する水準になるという(写真3)。
またInternet Explorer 9は、グラフィックスチップの処理能力を使って2次元グラフィックスを高速に表示する「Direct2D」にも対応する。Direct2Dを使うことで、従来の描画機能である「GDI」を使うのに比べてフォントや画像のレンダリングが高速になり、よりなめらかな描画が可能になるという(写真4)。Direct2DはWindows 7の新機能だが、Windows VistaでもWindows Updateからダウンロードすることで利用可能になる。
基調講演のデモでは、マイクロソフトの地図サービス「Bing Maps」をInternet Explorer 9のレンダリングエンジンを使って表示。Direct2Dを使うことで、画像の表示も高速化することをアピールした。