写真1●WebSDKはAndroid/Symbian OS機向け
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写真2●Webアプリケーション開発のスキルで複数OS対応のネイティブ・アプリを開発可能
写真2●Webアプリケーション開発のスキルで複数OS対応のネイティブ・アプリを開発可能
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写真3●WebSDKに付属するAndroid携帯「Xperia X10」のエミュレータ
写真3●WebSDKに付属するAndroid携帯「Xperia X10」のエミュレータ
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写真4●設計思想を「nexus」としてブランド化
写真4●設計思想を「nexus」としてブランド化
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 日スウェーデン合弁のSony Ericsson Mobile Communicationsは2009年11月18日(米国時間),同社モバイル端末向けの開発環境「WebSDK」ベータ版の提供を始めた。Webの作法で簡単にアプリケーションを開発できるのが特徴。同社はWeb開発者向けイベント「Web 2.0 Expo New York 2009」で,WebSDKの狙いとリファレンス端末となる「Xperia X10」などの設計思想を明かし,開発への参加を呼びかけた。

 WebSDKの特徴は,(1)開発の容易さ,(2)複数OSに対応する実行ファイルの生成,(3)端末のハード/ソフトの機能を利用するAPIのオープン化,の大きく三つある(写真1)。

 (1)と(2)は,オープンソースのマルチ・モバイルOS対応開発ツール「PhoneGap」コミュニティとの共同開発によるもの。PhoneGapは,iPhone/iPod touchとAndroid,Black Berry,Symbian OSの4環境で動作するネイティブ・アプリケーションを,HTML/CSS/Javascriptで開発できる(写真2)。WebSDKは,このうちAndroidとSymbian OSを対象とした開発環境を用意。これらの特徴から,Head of Developer&Partner EngagementのChristopher David氏は「Java開発者からWebデザイナーまで,幅広い開発者が簡単にアプリケーションを開発できる」とする。

 (3)のオープン化では,同社のAndroid端末「Xperia X10」やSymbian OS搭載機「Satio」といったハードウエアと,それらが備えるミドルウエアやアプリケーションのAPIを積極的に公開する方針。WebSDKには,上記2機種の端末エミュレータが付属する(写真3)。

 同社はWebSDKの概要に先立ち,Xperiaが嚆矢となる開発プラットフォームの設計思想を開発者に向け説明した。「統一されたユーザー・インタフェース」「標準アプリケーションの継続的な強化」「他社サービスとの連携」が3本柱。それらの設計思想は「nexus」と呼ぶブランドとして位置付ける(写真4)。これにより「アプリケーション開発における継続的な機会拡大を後押しする」(UX Creative Design Center Head of Creative Conceptの黒住吉郎氏)

 なおWebSDKベータ版の公開に合わせて,アプリケーション開発コンテストを実施する方針を明らかにした。「詳細はまもなくWebサイトで告知する予定」(David氏)という。David氏が参加を呼びかけると,会場で早速手を挙げる来場者の姿が見られた。