2009年11月18日から20日までパシフィコ横浜で開催されている組み込みソフトウエア開発の技術展「Embedded Technology 2009」では,デジタル放送対応のAndroid搭載STBのデモンストレーションが相次いだ。Open Embedded Software Foundation(OESF)のブースで,アドバンスト・コミュニケーションズが地上デジタル放送(フルセグ)対応のSTBの試作機,KDDI研究所がIPTVとビデオ・オン・デマンド(VOD)に対応したSTBの試作機を展示した。
アドバンスト・コミュニケーションズの地デジ対応STBのソフトウエアは,同社がC言語で開発したLinux用の地デジ・プレーヤーを Androidに組み込んだもの。Androidのアプリケーションは,Java向けAPIを提供するSTBフレームワークと,JavaからCアプリケーションを呼び出すためのAPIであるJNI(Java Native Interface)の2階層を経由して,地デジ・プレーヤーを呼び出すことになる。アプリケーション開発者向けに地デジのAPIを用意することで,地デジを利用するAndroidのアプリケーションを短期間・低コストで開発できるというメリットがある。また,地デジ機能とAndroidの他の機能を連携させるアプリケーションを容易に実現できる。
この地デジ対応STBの試作機は,米Sigma Designs, Inc.のMIPSコア搭載CPUと米MIPS Technologies, Inc.が提供するMIPS対応Androidを搭載している。ボードはミツミ電機製である。
KDDI研究所は,IPTVとVODに対応したSTBをデモした。実際のKDDIの通信網を介して,IPTVやVODの番組を再生した。加えて,Android搭載STBとAndroid搭載携帯電話機で同じゲームのアプリケーションが動作するデモを行った。