写真●レッドハット マーケティング本部の中井雅也部長
写真●レッドハット マーケティング本部の中井雅也部長
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 レッドハットは2009年11月17日,仮想化サーバーとクラウド環境を管理するソフトウエア「Red Hat Enterprise Virtualization for Server」の提供を開始した。Linuxカーネルに標準で組み込まれている仮想化技術KVM(Kernel-based Virtual Machine)を採用していることが特徴だ。

 レッドハット マーケティング本部の中井雅也部長(写真)は,「KVMはLinuxカーネルのソースコードに標準で組み込まれている。そのためKVMによる仮想化機能は,今後長期にわたり,Linuxのコア開発者らによって開発,改良されていくことになる」と述べ,新製品をアピールした。中井部長は,「レッドハットは,KVM仮想マシン上のRHELがのバイナリ・インタフェースは物理マシン上のRHELと同一であることを保障する。アプリケーションをリビルドする必要などは一切ない」と強調した。

 同ソフトは,管理ソフトウエア「Red Hat Enterprise Manager for Servers 2.1」とハイパーバイザー製品「Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor 5.4」で構成され,この2製品をセットにして提供する。

 Red Hat Enterprise Manager for Servers 2.1は,仮想化サーバーと物理サーバーを統合管理するGUIベースのソフトウエア。ある物理ホストで稼働中の仮想マシンを動的に別の物理ホストに移動する「ライブ・マイグレーション」機能や,物理ホストの障害を検知した際に稼働中のすべての仮想マシンを自動的に別ホストに移動させるHA(High Availability)を備える。

 また,Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor 5.4は,ゲストOSとして「Red Hat Enterprise Linux」と「Windows Server 2003/2008」に対応するハイパーバイザー製品。KVMを採用することで,占有メモリー・サイズが100Mバイト以下と小さなサイズを実現できたとしている。そのほかネットワークの負荷を分散する「NICボンディング機能」や,複数のゲストOS間で重複するメモリー・ページを共有してメモリー効率を上げる「メモリー・ページ・シェアリング」機能などを備える。

 提供方式は,管理対象サーバーのソケットを単位とするサブスクリプション・サービス。サポート・レベルにより,「Standard(月~金の午前9時から午後5時までサポート)」と「Premium(24時間365日サポート)」の2つのエディションを用意する。価格は,Standardエディションが1ソケットあたり年額6万8000円(税別),Premiumエディションでは1ソケットあたり年額9万8000円。