LaunchPadで優勝したカタログ代表取締役社長の清水勇樹氏
LaunchPadで優勝したカタログ代表取締役社長の清水勇樹氏
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 国内外のITベンチャー企業が集うイベント「Infinity Ventures Summit 2009 Fall」では2009年11月13日、恒例となっている「Launch Pad(ローンチパッド)」が開かれた。10社を超える企業が、新サービスを各6分以内でプレゼンしていくイベントだ。

 今回は、アイティア、オーマ、ORSO、カタログ、KLab、クウジット、KDDI研究所、GClue、ハートレイルズ、ミログ、ユビキタスエンターテインメントの11社と、吉崎航氏が個人として参加した。

 審査委員10人の評価により優勝したのは、カタログのサービス「もじもじTV」。動画内の音声を認識して自動的にテキスト化するもので、新しい言葉や話題の人物も認識可能。任意のキーワードで検索すると、キーワードを含む動画を表示。間違っている個所については修正候補を表示し、ユーザーが修正していくことで認識精度が向上するという。

 音声でTwitterにつぶやけるiPhone向けアプリ「しゃべったー」も実演した。精度の高さに会場からは驚きの声が上がった。カタログ代表取締役社長の清水勇樹氏は、「音声認識技術は50年以上前からある技術だが、撤退する企業が多かった」と前置きした上で、現在の認識率はかなり実用レベルに達していると主張。音声認識技術をベースとしたさまざまな商品を今後も開発していきたいとした。

 2位は吉崎航氏のホビーロボットのための演技指導ソフト「V-Sido」。吉崎氏は「今のホビーロボットは歩かせるだけで終わっている」と指摘。本来、ロボットは歩かせるだけでなく、乗りたい、戦わせたいと思うはずだとし、こうした欲求を技術で実現したいと述べた。

 3位はオーマの「あのひと検索 SPYSEE」。多言語対応を進めるSPYSEEは2009年9月に米国で開催されたスタートアップ企業のイベント「TechCrunch50」にも登場。英語版は会員登録者が50万人に達しているという。デモでは開発中の中国語版も披露した。また、夢を追いかける人を応援する「あのひと応援チアスパ!」も紹介。応援したい人のアバター用応援アイテムを購入すると、購入額の約85%がその人の手に渡るサービスだ。人と人のつながりを客観的に示すSPYSEEと連動するため、なりすましなどを防げるという。

 4位はミログのサイト機械監視システム「m-police」、5位はアイティアのAR(拡張現実)エンターテインメントエンジン「Symphonic Motion」となった。

 なお、Launch Padの審査員はIBM Venture Capital Groupパートナー日本代表の勝屋久氏、アドモブ代表取締役社長のジョン・ラーゲリン氏、オールアバウト代表取締役社長兼CEOの江幡哲也氏、カカクコム取締役COOの安田幹広氏、サイバーエージェント専務取締役COOの西條晋一氏、セプテーニ代表取締役社長の佐藤光紀氏、ディー・エヌ・エー取締役の川田尚吾氏、DCMパートナーの伊佐山元氏、本荘事務所代表の本荘修氏、ミクシィ取締役mixi事業本部長の原田明典氏の10人が務めた。