米Intelと米AMDは米国時間2009年11月12日,両社間で争われていた独占禁止法違反や特許侵害に関するすべての訴訟について和解することで合意したと発表した。Intelは和解金12億5000万ドルをAMDに支払う。

 合意条件のもと,IntelとAMDは5年間にわたる新たなクロス・ライセンス契約を結び,これまでのライセンス契約違反に関する申し立てをすべて取り下げる。AMDは米国と日本で起こしていた独占禁止法違反を巡る訴訟も撤回する(関連記事1:米AMDがx86プロセサの不正販売行為で米Intelを提訴,「38社が圧力の犠牲になった」,関連記事2:「自由な競争を回復するのは今」――日本AMDが60億円の賠償を求めインテルを提訴)。

 両社は共同声明の中で,「過去の両社の関係は困難なものだったが,今回の合意で係争が終結し,製品開発に向けた取り組みに注力できる」とコメントした。

 またIntelは,和解金支払いの影響を考慮した2009年第4四半期業績見通しの修正を発表した。研究開発費とマーケティングおよび一般管理費(MG&A)を含む経費を,従来予測の29億ドルから約42億ドルに引き上げる。実効税率は26%から約20%に低下する見込み。そのほかの予測については従来通りとする。

 Intelに対しては,欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)が今年5月に,欧州競争法(独占禁止法)に違反したとして制裁金10億6000万ユーロの判決を下した(関連記事:欧州委員会,独占禁止法違反でIntelに約1400億円の制裁金)。また11月には,ニューヨーク州が独占禁止法違反の疑いがあるとして提訴している(関連記事:ニューヨーク州司法長官,Intelを提訴,独禁法違反の疑い)。

[Intelの発表資料(1)]
[Intelの発表資料(2)]
[AMDの発表資料]