写真1●マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏
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写真2●マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 開発ツール製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャーの近藤和彦氏
写真2●マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部 開発ツール製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャーの近藤和彦氏
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 マイクロソフトは2009年11月13日,これまでMSDN(同社の開発者向け情報サイト)会員限定で提供していた次期アプリケーション開発プラットフォーム「Visual Studio 2010」のベータ2版の,一般提供を開始した。同社のWebサイトから誰でもダウンロードできる。製品版は2010年上半期にリリースする予定だ。

 Visual Studio 2010は,クラウドOS「Windows Azure」向けのアプリケーション開発に対応する。同日開催された製品説明会に登壇した同社 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏(写真1)は,「開発者の皆さんが.NET Framework環境での開発を通して身につけた技術と知識は,クラウド時代にも生かせる」と述べ,次期製品をアピールした。

 続いて,同社 デベロッパー&プラットフォーム統括本部 開発ツール製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャーの近藤和彦氏(写真2)が説明会に登壇。次期製品の機能強化ポイントについて,デモを交えながら紹介した。

 次期製品では,UML(Unified Modeling Language)ダイアグラムに準拠するほか,アーキテクチャ・モデルと実装されたコードを比較して,実装が正しく行われているかをチェックする機能,コードに含まれるぜい弱性をチェックする機能などを追加する。また,マルチコア対応アプリケーション開発の生産性を向上させるために,並列処理のパフォーマンス分析機能と,その分析結果に基づいてスレッド単位でデバックする機能を備える。

 特に重点的に強化するのは,アプリケーションのテスト工程用の機能だ。テスト作業を支援するために,「Test and Lab Manager」というWPF(Windows Presentation Foundation)ベースの新しいツールを追加する。Test and Lab Managerを使うと,要件に基づいたテスト手順の自動作成や,バグ修正後の再テスト時に前回の操作を再現することなどが可能になる。さらに,テスト過程で発見されたバグを,スクリーン・ショットや問題発生時の操作を記録したアニメーションを添付して報告することができる。「テストで発見されたバグを開発部門にフィードバックする際に,バグが再現できないという事態を防ぐことができる」(近藤氏)。

 同日,Visual Studio 2010のエディション構成も明らかになった。現行のVisual Studio 2008では10種類のエディションを展開しているが,「ユーザーからエディション構成が複雑で機能差が分かりづらいという意見が多かったため」(近藤氏),次期製品ではエディション数を,「Ultimate」「Premium」「Professional」の3種類に減らした。「Ultimate」は設計から導入まですべての工程に対応する最上位版,「Premium」は開発工程向けエディション,「Professional」は開発のための基本機能だけを備えるエディションとなる。