日本IBMは2009年11月12日、100ノードを超える大規模なスケールアウトを可能にするデータベース管理ソフトを発表した。同社のデータベース管理ソフト「DB2 9.7」向けのアドオンソフトであり、12月11日から提供する。特徴はロック情報と共有ページをメモリー上で一元管理する技術「Coupling Facility」と、ノード間通信の高速通信技術「InfiniBand」を採用したこと。多数のノードでスケールアウトしても使い勝手や性能が落ちないように工夫している。

 新製品の名称は「IBM DB2 pureScale Feature for DB2 9.7 Enterprise Edition」(DB2 pureScale)で、UNIXサーバー「IBM Power 550 Express」または「IBM Power 595」上で動作する。参考価格は268万2000円で、使用量に応じた従量課金も用意する。国内の販売目標は「金額は答えられないが、今後1年で100件の商談成立を目指す」(下垣典弘理事ソフトウエア事業インフォメーション・マネジメント事業部長)とした。

 DB2 pureScale配下でノードを追加する際、アプリケーションの変更は不要である。また、拡張性を高めるために採用したのがCoupling Facility技術だ。これはメインフレームにも使われている技術で、スケールアウト時のオーバーヘッドを小さくする。ノード間はInfiniBandを介してRDMA(リモート・ダイレクト・メモリー・アクセス)で高速に通信する。

 想定する顧客層は「インターネット株取引やFXなど急増するトランザクションに対応しなければならない企業が最初のターゲットになる。将来的には企業間のデータをつなぐような新ビジネスが登場すると予想していて、そうした企業は拡張性の高いオンライントランザクション処理(OLTP)の仕組みが必要になる。DB2 pureScaleはそうしたニーズに応えられる」(下垣事業部長)とした。