「2014年の創立50周年に向けて、クラウド、BI(ビジネスインテリジェンス)、ERP(統合業務システム)の分野を強化していく」。JBCCホールディングスの石黒和義社長は2009年11月12日、2010年3月期上半期決算説明会の場で、今後の強化分野についてこう説明した。

 クラウド事業では、5年後に200億円の売り上げを目指す。12月末には、IBM製オフコン「IBM i」のインフラをサービスとして提供する。今月からは自社製パッケージをクラウドサービスとして提供し始めた。今年10月に設立した「クラウド・インテグレーションセンター」がクラウド事業を推進する。

 BIについて山田隆司専務は「概念が登場したのは90年代だが、今後の伸びが期待できる分野」と説明する。従業員1000人以下の中堅・中小企業には自社製品の「WebReport」、それ以上の大企業向けにはIBMの「Cognos」を販売する。

 ERPは顧客企業の規模や業務別に最適な製品を売り込む。事業強化のため、今年7月に製造業向けERP「R-PiCS」の開発を手掛けるリード・レックスを買収した。三つの注力分野のほかには、環境や医療、3次元プリンタなどの新分野にも挑戦していく。

 JBCCホールディングスの2009年4~9月期の連結決算は10月30日に発表済み。売上高は前年同期比18.9%減の391億5700万円、営業利益は同74.5%減の3億6200万円と大幅な減収減益だった。「販売管理費の圧縮を推進したが、顧客企業の投資の冷え込みが響いた。特にハード/ソフトの販売事業が不振だった」(石黒社長)という。

■変更履歴
2段落目で「5年間で200億円の売り上げ」としていましたが,正しくは「5年後に200億円の売り上げ」です。4段落目の「R-PICS」は正しくは「R-PiCS」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/11/12 18:24]