日本雑誌協会が2010年の1月に実施を予定している電子雑誌の実証実験のモニター募集に,1500人の定員の倍以上となる3647人(2009年11月10日時点)が応募していることが分かった。モニター募集は12月中旬まで実施する予定で,最終的な応募数は1万人を超えそうだという。また当初,実証実験に参加する雑誌として30誌前後を予定していたが,こちらも予定の3倍以上となる100誌の参加が決まった。11月11日に日本雑誌協会が開催した「第二回 雑誌コンテンツデジタル推進コンソーシアム 総会」で,同コンソーシアムの大久保徹也議長が発表した。

 モニター募集の応募者を年代別に分類すると,20歳未満が2.4%,20歳代が17.7%,30歳代が35.1%,40歳代が27.3%,50歳代が10.6%,60歳代が4.6%,70歳代以上が2.3%だった。男女別では,男性が49.9%,女性が50.1%とほぼ同率だった。30~40歳代が中心となった点は,デジタル化で雑誌コンテンツを若年層にもアピールできると考えていた協会にとって「少々残念」だったという。大久保議長は,まだ募集終了まで期間があることから「引き続き10~20代を引き込んでいきたい」と方針を述べた。

 また,印刷コンテンツの電子化に高い関心を持っている日本新聞協会や国立国会図書館,放送波を使った新聞/雑誌のデジタル配信を検討しているAMIOフォーラムなど,同様の取り組みを行っている団体との連絡を強化し,相互協力についても前向きに検討する方針である。ただし「今回の実証実験で使用する雑誌コンテンツは,今回の実験に限るという条件で提供してもらっているものなので,そのままほかの実験に流用することはない」という。

 この実証実験は,総務省の「ICT利活用ルール整備促進事業」(サイバー特区)として日本雑誌協会が受託した「雑誌コンテンツのデジタル配信プラットフォーム構築に向けた調査研究」の一環として2年がかりで実施する。今年度は2010年1~2月にかけて,パソコン向けの電子雑誌サービスを提供し,ビジネス・モデルやサービスの使い勝手を検証する。2010年度には,モバイル端末や電子書籍リーダーも視野に入れた第二次,第三次の実証実験を予定している。