米Red Hat 社長兼CEO Jim Whitehurst氏
米Red Hat 社長兼CEO Jim Whitehurst氏
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IDC Japanの国内OS市場調査を紹介するレッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏
IDC Japanの国内OS市場調査を紹介するレッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏
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レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏
レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏
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 「経済危機の中,Red Hatは継続的に世界中で2桁の成長率を実現している」---米Red Hat 社長兼CEO Jim Whitehurst氏は2009年11月10日,都内で会見し,不況下で価格対性能比の向上を求めるユーザー企業の指向によりオープンソース・ソフトウエアが成長していると強調した。

 レッドハット日本法人 代表取締役社長 廣川裕司氏はIDC Japanの調査を引用し「2009年は国内のサーバーOS市場が縮小し,Windowsサーバーも縮小する中で,Linuxは7.8%の成長をとげ,UNIXを超えた。2010年にはメインフレームOSを超える。その中で,Red Hatは84%のシェアを持っている」と述べた(関連記事)。レッドハットが販売するオープンソースのJavaアプリケーション・サーバーであるJBossについても「今年,200%の伸びを見込んでいる」と述べた。

 ただし,IDC Japanの予測では2011年以降WindowsとLinuxの差はほとんど縮まらないように見える。この点について廣川氏は「IDC Japanのこの調査は有償で利用されているLinuxだけを対象にしており,無償で利用されているLinuxは少なくともこの2~3倍はあるのではないか。有償のLinuxもWindowsより高い成長率が予測されており,差は縮小している」と述べた。またWhitehurst氏は「デスクトップのWindowsやExchange Serverといった優れたプロダクトが存在することが,Windowsサーバーの高いシェアをもたらしている。デスクトップやグループウエアでもオープンソース・ソフトウエアの普及が進んでおり,そのことがサーバーでの採用を拡大するだろう」との見方を示した。

 またRed Hatは2009年10月27日,オープンソース・データベース管理システムPostgreSQLの強化版を販売する米EnterpriseDBへの出資を発表した(関連記事)。この投資についてWhitehurst氏は「EnterpriseDBは優れたソフトウエアであり,投資できたことを喜んでいる。しかし,Oracle,DB2,Ingress,MySQLいずれもRed Hat Linux Enterprise上で広く使われており,いずれかのデータベースだけを特別に扱うことはしない」と,特定のデータベース管理システムだけには注力しないとの方針を強調した。