中国レクーメディアCEOのリュー・パトリック氏
中国レクーメディアCEOのリュー・パトリック氏
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 「mixiアプリ」で最大のユーザー数を誇るソーシャルゲーム「サンシャイン牧場」を開発・提供する中国Rekoo Media(レクーメディア)は2009年11月10日、日本法人を10月27日に設立したと発表した。日本法人は新しいゲームの企画、ユーザーサポート、ケータイ版の動作検証などを行う。同日開催した記者会見では、課金と広告で収益を上げている現状も説明した。

 日本法人の資本金は増資額の調整中のため非公開だが、レクーメディアとインフィニティ・ベンチャーズLLP(東京都世田谷区)が出資し、レクーメディアが過半数を持つ。代表はインフィニティ・ベンチャーズLLP共同代表パートナーの小野裕史氏が兼任し、本社は東京都渋谷区に置く。当初の社員数は3~4人。

 レクーメディアは2008年12月に中国でサンシャイン牧場の提供を開始。現在は「動物パラダイス」と合わせて2つのソーシャルゲームを提供しており、アクティブユーザー数は全世界で1200万人を超えるという。ソーシャルゲームのアクティブユーザー数は、中国のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、日本の「mixi」でそれぞれ1位。米国のSNS「Facebook」でもトップ10に入っているという。

 同社のソーシャルゲームのビジネスモデルは課金と広告。中国ではユーザーの1%がプレミアムアイテムを購入しているという。広告では、飲料メーカーのプロモーションの一環として、畑で収穫したレモンをレモンジュースに加工すると高く売れるゲーム内企画などを実施したという。日本法人の小野氏は、「いいゲームを作ることに集中ために自社での広告営業は考えていないが、コストと見返り次第でやっていきたい」と日本での広告事業展開の見込みを語った。mixiアプリ上での課金は既に開始済み。

 今後、サンシャイン牧場には、収穫した農産物などを加工できる「工場」の機能を加える。また「サンシャインタウン」「サンシャイン深海」(いずれも仮題)などの新作を投入していく予定。

 記者会見では、レクーメディアCEOのリュー・パトリック氏が成功を収めている理由を、「今の農場系ゲームは当社が先行して1年前に作った。『マフィア・ウォーズ』など従来のソーシャルゲームは攻撃的だったが、サンシャイン牧場は友達に何かしてあげる、いたずらするというフレンドシップに基づいたゲーム」とゲームの性格の違いを説明した。また、「農場系ゲームは、都市に住む人が非日常を求める心理にヒットしたのでは」と分析した。

 レクーメディアは2007年12月設立で、現在の社員数は60人。パトリック氏は、米モトローラのR&Dのプロジェクトリーダーとしてモバイルインフラやアプリの開発に従事。2003年11月にSNS「eFriendsNet」の共同創業者兼社長となり、2006年11月に同社を2000万ドルで売却。2008年にレクーメディアを設立した。