米Googleは米国時間2009年11月9日,携帯電話向け広告ネットワークの米AdMobを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。取引は株式交換方式で行われ,買収額は7億5000万ドルに上る見通し。Googleはこれにより,既存のモバイル広告に関する技術と知識の強化を図る。

 AdMobは2006年にOmar Hamoui氏がカリフォルニア州サンマテオに設立した。現在は米ニューヨークと英ロンドンにも拠点を構える。米Fordや米Coca-ColaをはじめとするFortune 500企業の多くが同社のモバイル広告ネットワークを利用している。

 Googleは今後,モバイル広告フォーマットを作成,掲載,解析するためのより効率的なツールの開発を推進する。広告主はより効果的にターゲットとなるモバイル・ユーザーにリーチし,Webサイト運用者や開発者は広告掲載によってより多くの収益を上げ,ユーザーはより関連性の高い広告を閲覧するほか,広告付きのコンテンツやアプリケーションを取得してモバイル活用を高められるとしている。

 米Morgan Stanleyの調査によると,iPhoneやAndroid搭載機のユーザーは他機種のユーザーと比べて頻繁にインターネットをブラウジングする。こうしたことが要因となって,モバイルでのGoogle検索は過去2年間で5倍拡大したとGoogleは分析する。またAdMobの調査では,iPhoneおよびAndroidユーザーの4分の1が,1日当たり90分近く携帯電話でアプリケーションを使用していることが分かった。

 Google製品管理担当バイス・プレジデントのSusan Wojcicki氏は,「モバイル広告はマーケティング媒体として大きな可能性を持っているものの,依然として初期段階にある。AdMobは短期間でたいへんな躍進を遂げており,年々売上高が増加している。AdMobの才能あるチームをGoogleに迎えることを嬉しく思う」と述べた。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]