写真1●カナダTeradiciのライセンスを受けて開発した画面転送プロトコル「PC over IP(PCoIP)」を追加
写真1●カナダTeradiciのライセンスを受けて開発した画面転送プロトコル「PC over IP(PCoIP)」を追加
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写真2●PCoIPでマルチメディア・アプリケーションの応答性向上を図る
写真2●PCoIPでマルチメディア・アプリケーションの応答性向上を図る
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写真3●VMware View 4のエディション構成
写真3●VMware View 4のエディション構成
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 ヴイエムウェアは2009年11月9日,デスクトップ仮想化ソフトの新版「VMware View 4」を発表した。仮想デスクトップの動作環境のVMware vSphere 4への更新,新画面転送プロトコル「PCoIP」の実装--といった機能強化を実施。大規模対応や応答性の向上を図る。同年11月20日に販売を始める。

 VMware View 4は,仮想マシンや物理サーバー,仮想OSなどの上に用意したデスクトップ環境を,主に画面転送型のシン・クライアントとしてユーザーに利用させるデスクトップ仮想化ソフト。同社のサーバー仮想化ソフト「VMware vSphere 4」とその管理ツール「VMware vCenter 4」および各種仮想デスクトップを統合管理する「View Manager 4」が主要な構成要素となる。

 バージョン4の主な変更点は,画面転送プロトコルのマルチプロトコル化とサーバー仮想化インフラの強化だ。

 まずプロトコルでは,カナダTeradiciのライセンスを受けて開発した画面転送プロトコル「PC over IP(PCoIP)」を追加(写真1)。ネットワーク帯域などに応じて「テキストのような静止画を優先して動画の解像度を下げる」といった制御を動的に実施することで,ユーザーへの応答性を高めている(写真2)。Teradiciは専用ハードウエアで画面転送を高速化するアプローチを採るが,VMwareはソフトウエアとしてサーバーおよびクライアントに実装した(ハードウエア・アクセラレータもオプションで用意)。

 サーバー仮想化インフラは,サーバー仮想化ソフトをvSphere 4に更新する。これにより,可用性の向上や仮想ネットワークの大規模対応,CPUコア数64/メモリー容量1Tバイトまでのサーバー機への対応など,大規模やリソース・プールの構築・運用機能を強化している。同社ストラテジックアライアンスの名倉丈雄テクニカルアライアンスマネージャは「1000サーバー機,1万仮想サーバーといった大規模環境では他社製品にまだ差をつけている」と見る。

 このほか,ローカル・プリンタやUSBデバイスの仮想デスクトップへのマッピング機能,VMware View,Windowsのターミナルサービス,ブレード・サーバーやパソコンなどの物理PCのユーザーへの割り当て機能,仮想マシン・イメージをローカルPCにダウンロードして使う「オフラインデスクトップ」(試験サポート)などの機能を備える。

 価格はオープン。参考価格は「Enterprise Edition」が1同時接続当たり1万8000円,アプリケーションを設定ごとパッケージ化して配信するアプリケーション仮想化機能「VMware ThinApp 4」とストレージ集約機能「VMware View Composer」およびオフラインデスクトップを含むフル機能版「Premier Edition」が同3万1000円となっている(写真3)。

[発表資料]