NTTは2009年11月9日,2009年第2四半期決算発表会を開催した。連結決算は営業収益が4兆9981億円で前年同期比1665億円の減収,営業利益が6468億円で前年同期より983億円の減益だった。発表会にはNTT 代表取締役社長の三浦惺氏らが出席した。質疑応答の主な内容は以下の通り。

――2009年10月30日に発足した総務省のタスクフォースのうち,「国際競争力強化検討部会」に三浦社長は所属している。今後議論したいテーマは。
部会でも発言したが,コンテンツ・プロバイダーやベンダーと協力して新しいビジネス・モデルを国内で作るべきだと考えている。その成功モデルを海外に持って行きたい。

――総務省のタスクフォースでNTTの再編を話し合うのは「過去の競争政策のレビュー部会」だが,NTTのメンバーはいない。NTTの意見をどうやって反映させるのか。
まだ審議経過を見ないと言えないが,我々の主張を述べるヒアリングの場が設けられることを想定している。その場できちんと説明していくつもりだ。

――2009年度の補正予算は削減されたがものの,ブロードバンド関連の予算は維持された。これが業績に与える影響はあるか。
今年度ではなく,来年度以降に影響が出ると考えている。デジタル・デバイドの議論があるが,今回の補正予算の措置で地方にもブロードバンドが進展する。光エリアの整備も日本の90%まで来たが,より加速するだろう。

――フレッツ・サービスの解約が目立つとの発言があったが,サービス料金の値下げは考えていないのか。
単純な料金値下げは考えていない。映像サービスなどサービスを複数利用してもらうと解約率が低くなることが分かったので,こうした複数利用を推進する。さらに転居先が利用可能エリアでないために解約というケースを減らしたいと考えている。

――FTTHにおけるNTTのシェアが70%を超えている状況で競争が進展していると言えるのか。
言える。ブロードバンドは光だけの競争ではない。ケーブルテレビやADSLも含めたトータルな競争状況で判断すべきだと考えている。さらに大都市と地方では状況が大きく異なる。競争が行われている大都市を中心に競争状況を見てほしい。

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