写真●住友信託銀行の常陰均社長(左)と中央三井トラスト・ホールディングスの田辺和夫社長(右)
写真●住友信託銀行の常陰均社長(左)と中央三井トラスト・ホールディングスの田辺和夫社長(右)
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 住友信託銀行と、中央三井信託銀行などを傘下に持つ中央三井トラスト・ホールディングスは2009年11月6日に記者会見を開き、2011年4月に経営統合すると発表した。中央三井トラストの田辺和夫社長は、「システム統合によってかなりのコスト削減ができるとみている」と述べた。

 住友信託銀行の常陰均社長は、「システム統合の具体的な方針はこれから検討する」と述べた。システム統合の時期については、「これから検討する。ただし顧客に不便をかけることだけは避けなければならない。拙速も遅いのもよくない。慎重に計画を立てる」と常陰社長は強調した。中央三井トラストの田辺社長は「長期的な視点で効率的なシステムを作っていきたい」と説明した。

 住友信託銀行と中央三井信託銀行はともに、現在の勘定系システムを日本IBM製メインフレームで動かしている。

 経営統合は2段階で進める。まず2011年4月に住友信託銀行と中央三井トラストが株式交換し、持ち株会社「三井住友トラスト・ホールディングス(仮称)」を新設、その下に住友信託、中央三井信託、中央三井アセット信託の信託3行と関連会社が入る。そこから1年後の2012年4月に信託3行を統合して「三井住友信託銀行(仮称)」を発足させる。

 両グループの資産規模(2009年3月末時点)を合計すると、資産運用残高は58兆円、資産管理残高は181兆円でともに国内首位、総資金量は61兆円で国内4位となる。経営統合によって、国内最大手の信託銀行が誕生する。