日本インフォア・グローバル・ソリューションズ(インフォア)は2009年11月6日、1回のデータ入力で複数の会計基準に基づいた元帳にデータを書き込める機能を持ったアプリケーション「Infor Advanced General Ledger(Infor AGL)」を提供すると発表した。IFRS(国際会計基準)に対応する企業での利用を想定している。日本語版は2010年2月末に出荷予定だ。

 Infor AGLは「複数元帳」と呼ばれる機能を実現するアプリケーション。勘定科目体系や通貨、会計期間が異なる複数の元帳に会計データを自動転記できる。事前に会計期間の調整や通貨換算のルールを設定しておくことで、1回のデータ入力で複数の帳簿に転記できるようにする。仕訳明細ごとに最大30種類のセグメント情報を設定できる。

 IFRSに対応する場合、連結財務諸表はIFRS、税法向けの単体決算書類は各国の法規制に基づいて作成する必要がある。複数元帳機能を使うと、1回のデータ入力でIFRS向けと税法向けの元帳を作成できるので、IFRS対応の手間を軽減できる。

 インフォアのERP(統合基幹業務システム)パッケージ「Infor ERP LN(旧Baan ERP)」や会計パッケージ「Infor FMS SunSystems」を利用している企業は、Infor AGLを会計システムから呼び出して利用する。同社は、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいて製品を連携する仕組みである「Infor SOA」を推進している。Infor AGLはInfor SOAに基づいた製品で利用できる。

 インフォアの会計システムを利用し、ライセンス・保守契約を結んでいる場合、Infor AGLは無償で提供する。それ以外の場合は個別見積もりとなる。欧米ではすでに先行出荷している。