WOWOWは2009年11月5日,定例会見を開催した。代表取締役社長の和崎信哉氏は,2009年10月に開催した自社主催イベント「WOW FES!」について,「11月にも来年の開催に向けたプロジェクトを立ち上げたい」と述べた。「来年のWOW FES!は,2011年の1年前なので,より進化したWOW FES!を実現したい。新プロジェクトは,今回の総括を踏まえて,2010年にどのようなWOW FES!を展開するかを検討する」という。

 2009年10月の加入実績(前月比8280件減)については,「マイナスではあるが,ほぼ計画通り」という見解を示した。「新規加入や解約はクオーター(四半期)単位で数字をとらえて,大きなトレンドを見ていきたい。第3クオーター単位でとらえると,ほぼ計画に近い数字」と述べた。

 なお会見では,和崎氏をはじめとする経営陣と記者との間で質疑応答が行われた。内容は以下の通りである。

Q,WOW FES!開催の目的の一つに,これまでWOWOWに触れていない人にWOWOWを知ってもらうことがあったと思うが,加入面の実績について総括して欲しい。
A,WOW FES!は加入を前面に押し出したイベントではなく,「WOWOWを知って欲しい」「WOWOWのファンを増やしたい」という思いで始めたイベントだ。個別の数字は差し控えたい。加入者の加入動機をうかがったときに,「WOW FES!でWOWOWを知った」という回答が上がってきている。このこと自体は嬉しいが,今回のイベントは数で評価したくないと思っている。

Q,IPTVでのBS再送信について,WOWOWとしての今後の見通しを教えて欲しい。
A,我々としては,IPTVでの同時再送信をぜひやりたいと思っている。現在,実現に向けて,最後の詰めの段階にある。日時が決まり次第,発表したい。

Q,ほかの民放のBSデジタル放送事業者と同時のタイミングで開始することになるのか。
A,ほかの民放と同時のタイミングというのは考えていない。ほかの民放とは詰めてないが,我々のほうが先行するのではないか。できれば横並びでやりたいと思うが,準備が出来ているところと出来てないところがあると思う。

Q,今後の加入件数の推移をどう予想しているか。2011年の3チャンネル体制への以降が一つの節目になるが,その前とその後についてどう推移すると想定しているのか。
A,加入者数については,2009~2011年度の中期経営計画の数字を現在は変えていない。ただし,3チャンネルのフルハイビジョン放送を実現できることが2009年6月に決まった。2011年10月に3チャンネル体制になることもほぼ視野に入っており,現在準備を進めている。こうした状況を踏まえて,数字の見直しを含めて再検証している。基本的には,2011年前半まではなだらかに増えていく。それからこれは検討をしている最中であるが,2011年のあるところから右肩のカーブを上げたい。数字そのものについては,見直しが終わるまでお待ちいただきたい。
 3チャンネルになるのだから,2011年の後半については当然プラスで考える。ただ2010年の3チャンネルになる前については,景況感や視聴者の動向を見ていく必要がある。