米Time Warnerが米国時間2009年11月4日に発表した同年第3四半期の決算は,売上高が71億3500ドルで前年同期比6%減少した。しかし,AOL事業を除くコンテンツ・グループの業績が従来予想を上回ったことを受けて,同社は2009年通期見通しを上方修正した。

 当期は,ネットワーク部門が好調だったが,AOLや出版関連の不振がこれを相殺した。純利益は6億6100万ドル(希薄化後の1株当たり利益は0.55ドル)で前年同期の10億6700万ドル(同0.89ドル)から大幅に減少した。減価償却費控除前の調整後営業利益(OIBDA)は同9%減の18億ドル。営業利益は同10%減の14億ドル。

 コンテンツ・グループ(Networks,Filmed Entertainment,Publishing,Corporate事業)に限った場合,売上高は前年同期比3%減,OIBDAは同1%減,営業利益は同2%減にとどまる。

 事業別の売上高は,AOL事業が前年同期比23%減の7億7700万ドル。サブスクリプション収入が同29%縮小し,広告収入は同18%減少した。9月末時点の米国加入者は540万人で1年前と比べ210万人減少した。Networks事業は同5%増の28億7400万ドル,Filmed Entertainment事業は同4%減の27億8000万ドル,Publishing事業は同18%減の9億1400万ドルだった。

 同社は2009年通期の業績見通しについて,今年3月に分社化したTime Warner Cable事業の影響を除いた調整後1株当たり利益を2.05ドル以上と予測している。コンテンツ・グループによる調整後1株当たり利益は1.75ドル以上を見込む。前年はそれぞれ1.98ドル,1.42ドルだった。

 なお同社は,2009年12月にAOL事業の分離を予定しているほか(関連記事:Time WarnerがAOLを分離へ,取締役会が承認),第4四半期にPublishing事業のリストラ費用として最大1億ドルを計上する。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]