写真●米シトリックス・システムズ デスクトップ部門グループ バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのラージ・ディングラ氏
写真●米シトリックス・システムズ デスクトップ部門グループ バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのラージ・ディングラ氏
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 「デスクトップ・コンピューティングは将来,DaaS(Desktop as a Service)へと,その姿を大きく変えるだろう。その姿を先取りしているのが『XenDesktop4』だ」---。東京ビッグサイトで開催したITpro EXPO 2009展示会で,2009年10月30日の特別講演「Desktop Virtualization デスクトップコンピューティングの未来」に登壇した米シトリックス・システムズ デスクトップ部門グループ バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのラージ・ディングラ氏は,このように主張した。

 ディングラ氏は冒頭で「デスクトップ・コンピューティングの姿は,今から3年後には大きく変わっているはず。そのビジョンを共有してほしい」と切り出し,将来のデスクトップ・コンピューティングは,仮想デスクトップをサービスとして提供する「DaaS(Desktop as a Service)」になる,と強調した。

 ディングラ氏は「家庭で仕事をする人が増えていることを考えれば,今後は,音楽を聴いたり動画を見たりしているパーソナル・デバイスで,いろんな場所から,会社のデータやアプリケーションにアクセスできる必要がある。シンクライアントでも,家庭のPCでも,会社のPCでも,ネットブックでもスマートフォンでも,同じようにアクセスできなければならない。これを実現できるのがDaaS」と指摘。「DaaSにより,デスクトップの管理も非常に容易になる」とした。

デスクトップをデータセンターで一元管理

 デスクトップは,OS,アプリケーション,プロファイルの3つのコンポーネントから成る。「従来はこれらが,それぞれのPC上で密に結びついていたため,ハードの追加やアプリケーションの追加といった変更に柔軟に対応できなかった」(同)。これに対して,仮想デスクトップでは,3つのコンポーネントを別々にデータセンターで一元管理し,それぞれのコンポーネントをオンデマンド・サービスとして提供する。3つのコンポーネントをデータセンターで管理できるので,デスクトップ管理がシンプルになり,セキュリティレベルも向上するという。

 ディングラ氏は,こうしたデスクトップ仮想化を実現できるソフトとして,10月に発表した同社の「XenDesktop4」を紹介。(1)PCやラップトップ,ネットブック,スマートフォンなど,どんなデバイスでも仮想デスクトップが利用できる,(2)HDX技術の強化により,Flashコンテンツの再生や3次元CAD/CAMのレンダリングが可能になった,(3)モバイルユーザーや特定の作業を行うタスクワーカー,高いコンピューティング性能が必要なヘビーユーザーなど,6つの異なるユーザータイプに最適なデスクトップ環境を提供できる「FlexCast」技術を搭載した,(4)アプリケーション仮想化ソフト「XenApp」を統合した---など,XenDesktop4の主な特徴を説明した。

 ディングラ氏は,最後に「XenDesktop4は,デスクトップ仮想化の唯一の完全なソリューション。デスクトップ・コンピューティングの未来はここにある」と述べて,講演を締めくくった。

■変更履歴
講演タイトルを「DaaS最前線:デスクトップ仮想化がもたらすITのパラダイムシフト」としていましたが,正しくは「Desktop Virtualization デスクトップコンピューティングの未来」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/11/02 12:15]