写真●「国際取引統合システムGX」のデモの様子
写真●「国際取引統合システムGX」のデモの様子
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 システムラボ(東京都杉並区)は、10月28~30日に東京ビッグサイトで開催した「ITpro EXPO 2009」展示会の「国際会計基準/ERPパビリオン」で、貿易・輸出入取引に特化した「国際取引統合システムGX」を出展した(写真)。2009年夏にリリースした「GX on Salesforce CRM」のデモも実施。セールスフォース・ドットコム(東京都港区)のクラウド型顧客管理サービス「Salesforce CRM」と連動し、Salesforce上で「インボイス」などの貿易文書を作成したり、Salesfoceで管理している取引先データや契約データをGXで引用したりする機能が特徴だ。中小の貿易会社などでSalesforce CRMの採用が増えつつある実情に対応した。

 輸出入取引システムでは、一般的な販売管理機能に加えて、外国為替レートの扱いが重要になる。例えば「仕入れ時は1ドル=100円、販売時は1ドル=80円」といった場合に、それぞれの時点の為替レートを反映しなければ正確な利益金額・在庫金額などを把握できない。

 GXの最大の特徴は、取引時の為替レートをその都度反映するという煩雑な事務処理を自動化している点である。こうしたソフトを導入せずに、事務処理の簡素化のために「社内固定為替レート」などを適用している企業では、昨今の金融危機による急激な為替レート変動で、思わぬ差損を被った企業が少なくない。

 GXは貿易会社やメーカーを中心に約350社で導入実績がある。現時点では、クラウド連携事例はまだ少なく、貿易専門会社が基幹業務システムとして使ったり、大手メーカーが既存のERP(統合基幹業務)パッケージシステムと連動させて輸出入取引処理の部品としてGXを使ったりしている事例が多い。システムラボによると「GXと同様の機能を持つ国際取引用のアドオンは主要ERPパッケージベンダーも提供しているが、価格が高い。そのために、代わりにGXを利用しているケースも多い」という。

 GXの価格は150万円からで、利用形態などによって変動する。