写真●約4メートル四方のスペースにアイルキャッピングを展示
写真●約4メートル四方のスペースにアイルキャッピングを展示
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 東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2009」で、ひときわ目立った製品を展示しているが日東工業だ(写真)。同社はブース内の約4メートル四方のスペースに合計6本のラックを向かい合わせで設置し、疑似的なデータセンターを再現している。このスペースに展示している製品が、冷却効果を高める「アイルキャッピング」である。同社がNTTファシリティーズと共同開発した。

 データセンターやサーバールームでは、ラック正面の床下から冷やした空気を送り込み、ラック内のサーバーやネットワーク機器などを冷却しながら、ラック背面側の排気口から暖まった空気を排出する構造になっているケースが多い。この構造には、ラックの下方は冷却効果が高いが、ラックの上部はサーバーやネットワーク機器などの放熱が溜まりやすく、冷却効果が低下するという課題があった。そこで利用するのが、日東工業が展示しているアイルキャッピングだ。

 アイルキャッピングは、向かい合わせに設置したラックの間、ちょうどシステム管理者の通路となる部分にプラスチック製のシールドをかぶせる製品である。天井部分だけでなくラックとラックの間にも、引き戸のようなシールドをかぶせ、通路となる空間を完全に覆ってしまう。シールドをかぶせることで、ラックの上部に溜まった暖かい空気が、床下から送り込んだ冷たい空気と混合しないようにするのである。

 アイルキャッピングを使うことで、床下から冷たい空気を送り込む冷却装置のファンの稼働率を半減できると、日東工業では試算している。6月に出荷を開始し、現在、データセンター事業者を中心に販売活動している。価格は、展示しているものと同じ合計6本のラックに対応した規模で、約100万円だという。