写真●キーエンスの文書検索ソフト「PRO-Search」の画面例
写真●キーエンスの文書検索ソフト「PRO-Search」の画面例
[画像のクリックで拡大表示]

 キーエンスが東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2009」で,社内文書ファイルなどを横断的に検索するソフト「PRO-Search」と,複数のExcelファイルを自動的に統合するソフト「PRO-iDB」の2製品を出展している(写真)。既存事業で培った画像処理技術を生かして,他社製品との差異化を図っている点を来場者にアピールした。

 PRO-Searchは,社内のファイルサーバーやMicrosoft Exchange Server,Lotus Notes/Dominoなどに保存してある複数の文書ファイルを横断的に検索し,指定したキーワードを含む文書ファイルを探し出す製品である。検索結果の画面に文書ファイルのプレビュー画像を表示できるのが特徴だ。

 WordやExcel,PDFなどの文書ファイルを表示できるほか,JPEGといった画像データやCADデータなどに対応する。プレビューは,WordやExcelなどのアプリケーションをインストールしていないパソコンでも表示できる。

 キーエンスはPRO-Searchの使い方として,簡易なキーワードで文書をざっと検索し,表示されたプレビュー画面を調べることで,必要な情報を探し出す,という流れを想定している。このため,競合他社が独自の検索エンジンを開発して検索精度を高めることに注力しているのに対し,PRO-Searchではプレビュー画面の表示や,ページの切り替えを高速に処理できるようにして,目的の文書ファイルを探しやすくする点に力を入れているという。検索エンジンとしては,オープンソースの「Apache Lucene」を採用している。

 もう1つのPRO-iDBは,同じような表の構造を持つ複数のExcelファイルを,一つの表に自動統合するソフトである。展示会場では,年度別/月別の売り上げデータを使ったデモを実演していた。

 デモで利用していたExcelファイルは,年度別の売り上げデータをまとめたものである。これが過去10年分,合計10個ある。それぞれのExcelファイルを開くと12枚のシートが表示され,該当する年度の1月から12月までの月別の売り上げデータを参照できる。PRO-iDBの管理画面から10個のExcelファイルを選択すると,自動的に過去10年分を一覧できる一つの表に統合し,独自のデータベースに保管する。

 センサーや電子顕微鏡などのメーカーであるキーエンスが,企業向けソフトウエア事業に参入したのは今年の4月。測定器が収集したデータを分析するアプリケーションの開発で培ったノウハウと,電子顕微鏡の画像処理解析で培ったノウハウを生かして,今回出展した2製品を開発した。