富士通は2009年10月28日、2009年4~9月期の連結決算を発表した。連結の売上高は前年同期比10.9%減の2兆1866億2200万円で、営業損益は同567億8800万円減の182億4600万円の赤字だった。パソコン事業や欧州地域のサービス事業などが不調だったのが主な原因だ。

 IT関連の事業を見ると、サービス分野の売上高は同4.6%減の1兆1485億円で、営業利益は同37.3%減の321億円だった。このうち、堅調のアウトソーシングサービスを中心とする「インフラサービス」の売上高は同6.3%増の6095億円だったが、「ソリューション/SI」の売上高は同15.0%減の5175億円となった。金融や製造、流通分野のSI事業が不振だった。

 システムプラットフォーム分野の売上高は同14.6%減の2739億円、営業損益は97億円の赤字だった。「システムプロダクト」の売上高は同11.8%減の1359億円、「ネットワークプロダクト」の売上高は同17.2%減の1380億円となった。UNIXサーバーが企業の投資抑制や低価格化の影響を受けた。

 加藤和彦 執行役員上席常務CFO(最高財務責任者)は「売り上げが集中する第4四半期に、顧客がどこまでIT投資を復活させるかがまだ見えない。政府系の案件の不透明感も高まっている」とし、通期の連結業績予想のうち連結売上高を下方修正した。連結売上高は前期比2.3%増の4兆8000億円(従来予想は4兆8200億円)に下げ、営業利益は同30.9%増の900億円に据え置いた。