米Red Hatは2009年10月27日(現地時間),オープンソース・データベース管理システムPostgreSQLの強化版を販売する米EnterpriseDBへの出資を発表した。また日本のサイオステクノロジーも2009年10月28日,EntepriseDBへの出資を発表した。

 米EnterpriseDBは,PostgreSQLの機能を拡張した有償版であるPostgres Plus Advanced Serverを販売している。Postgres Plus Advanced ServerはOracleとの互換性を向上させるツールや監視ツールなどを備えている。またEnterpriseDBには,PostgreSQL開発チームのコアメンバーが在籍している。

 EnterpriseDBの社長兼CEOであるEd Boyajian氏は,元Red Hat。2008年6月にEnterpriseDBの社長兼CEOに就任している。出資により協力関係を強化して,Red Hat Enterprise Linux, JBoss,Postgres Plusを含むオープンソース・インフラの共同でのプロモーションを拡大するとしている。

 サイオステクノロジーは,すでにEnterpriseDBの日本における代理店となっており「すでに基幹系システムでの採用事例もある」(代表取締役社長 喜多伸夫氏)という。出資により提携関係を強化し,日本のユーザーの要望をPostgres Plusに反映していくことなどを狙う。EnterpriseDBへの出資額は50万ドル(約4600万円)。

 日本企業としてはNTTがEnterpriseDBに出資している。NTTはPostgreSQLを社内システムに採用しており,2008年に「今後5年間でPostgreSQLの採用率を25%まで高め,20億~30億円を削減する」という方針を表明している(関連記事)。