写真1●新データセンターの紹介画面
写真1●新データセンターの紹介画面
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 富士通は「ITpro EXPO 2009」のブースで,今年11月30日に新たに稼働するデータセンターを紹介している(写真1)。富士通は,以前から館林にデータセンターを所有しているが,隣に新棟を建設し,アウトソーシング・サービスの拡充を図る。収納できるラック数は約3600で,従来の館林データセンターの約2倍になるという。

 新データセンターは,(1)高集積に対応,(2)セキュリティの強化,(3)ラック冷却効率の強化,という三つの特徴がある。(1)は,1ラック当たりの供給電力などを強化した。ブレード・サーバーなどの高集積サーバーが大量に格納できるように,1ラック当たり最大20キロVAまでの電力が供給できるようになった。これは現在の館林データセンターの10倍に当たるという。また,1平方メートル当たりにかかる荷重も500キログラムから1200キログラムへと2.4倍に強化した。

 (2)は,生体認証やRFIDの導入によって,入館の管理などを強化した。入館時には,生体認証を使って不審者の入館を防ぎ,入館後もRFIDを使って作業場所などを把握できる。これにより,不正侵入を防げるだけでなく,二人で入ってはいけない場所や他社の情報が入っているラックへの移動などを制限することができる。

 (3)は,データセンター内の熱が,どのように移動するかなどをシミュレーションし,空調効率を改善した。また,屋上に太陽光パネルを設置したり,室内で利用した冷却水を外気で冷やしたりするなどの工夫が施されている。

 このようにデータセンターは強化されたが,運用センターを現在の館林データセンターと統一することでコストダウンを図り,現在のデータセンターとほぼ変わらない価格で新データセンターのサービスが提供できるという。