写真●ユーザー向けの管理画面例
写真●ユーザー向けの管理画面例
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 富士通は2009年10月28日,東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2009」会場で,現在同社と富士通研究所が共同開発中のクラウド・サービスを参考展示した。2010年10月のサービス開始を予定している。

 新サービスでは,富士通のデータセンターをリソース・プールとし,顧客に仮想サーバーや運用管理ソフト,セキュリティ管理ソフトなどの機能を組み合わせて,サービス商品として提供する。価格体系は未定だが,例えば一定額の基本料金に,サーバーの使用時間に応じて利用料金が加算される方式などを検討している。

 申し込みを終えた顧客企業が,ユーザー向けの管理画面(写真)で必要な仮想サーバーの数や運用管理ソフト,セキュリティの設定などを登録すると,数秒から数分でシステムが稼働を開始する。稼働中にサーバー数を増減させるといった変更もできる。将来は,あらかじめ設定した条件に従ってシステム構成を自動的に変更するといった仕組みも可能という。

 管理画面にはシステムごとに「ON」「OFF」のボタンがあり,これを押すと,データはそのままで稼働を停止したり,再開させたりできる。サーバーの使用時間に応じた課金体系になった場合を想定し,コストを節約できる機能として作ったものという。システムの使用を完全にやめる場合には,「返却」というボタンを押す。

 また,稼働状況をいつでも確認できるダッシュボード画面も開発している。富士通製のシステム運用管理ソフトの機能を使って,CPU使用率やディスクI/O,入力パケットなどの複数のグラフを一覧できるようになっているほか,サービス・レベルの監視もできるようにする予定だ。

 現在,全国のシステム関連子会社十数社が既に試験導入しており,主に開発環境として活用しているという。

■変更履歴
サービスの提供開始時期を2010年9月としていましたが,正しくは2010年10月です。お詫びして訂正します。タイトル,本文は修正済みです。 [2009/10/29 10:16]