米Amazon.com傘下の米Amazon Web Services(AWS)は米国時間2009年10月27日,リレーショナル・データベース(RDB)をPaaS提供する試験サービス「Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)」の提供を始めた。AWSがMySQL導入済み仮想サーバーの運用管理を代行すると同時に,機能操作用のAPIを用意。ユーザーはRDBの“利用”に専念できる。

 Amazon RDSは,オープンソース・ソフトウエアのRDBMSであるMySQL 5.1の全機能を利用できるPaaSサービス。MySQLのインストールやパッチの適用,バックアップなどの運用管理をAWSが代行する。データベースに割り当てるストレージ容量を変更するAPIなどを用意し,MySQLデータベース構成の柔軟な変更が可能である。ただしインタフェースに変更はないため,既存のMySQL向けプログラムやアプリケーション,管理ツールなどを修正なしで移行できる。これまでAWSは時間課金のRDBとしてMicrosoft SQL ServerやIBM DB2導入済み仮想マシンを提供してきたが,ユーザーが仮想マシンおよびDB製品を管理する必要があった。

 料金は時間課金で,1時間当たり最下位の「Small DB Instance」が0.11ドル,最上位の「Quadruple Extra Large DB Instance」が3.1ドル。

仮想マシンの最大メモリーが68.4Gに,既存メニューは一律15%値下げ

 RDS向けにメモリー容量を増やした仮想マシンは,データベースやキャッシュ・サーバー,3Dレンダリングなどの用途に向けたEC2仮想マシン「High-Memory Instances」としても提供する。Double Extra Largeは,メモリーが34.2Gバイト,動作周波数約3GHz相当の4コア仮想CPU,850Gバイトの仮想ストレージ。Quadruple Extra Largeは,メモリーが68.4Gバイト,同8コア仮想CPU,1690Gバイトの仮想ストレージとなっている。従来の仮想マシンはExtra Large Instanceの15Gバイトがメモリー容量の上限だった。

 一方で,既存のStandardおよびHigh-CPU Instancesは同年11月1日から15%値下げする。例えばStandardのSmall Instanceは1時間当たり0.1ドルから0.085ドルになる。