ケンコーコムは10月26日、シンガポール法人を通じ、海外で健康食品や医薬品のインターネット通販を始めると発表した。当初は海外在住の日本人の対象に、日本では薬事法による規制で通販できない第1類、第2類の一般用医薬品(大衆薬)と、排卵日検査薬などを取り扱う予定。拡大が見込めるアジア市場での地位獲得を目指す。

 海外でネット通販を手がけるのは、9月にシンガポールに設立した新会社Kenko.com Singapore。資本金は1000万円で、ケンコーコムが全額出資する。ケンコーコムの朝倉大輔リテール事業本部リテール統括室長が代表を務める。

 当初は日本語の商品説明文を載せるサイトとして運営し、その後はアジア全域を対象にサイトの国際化を進める考え。ケンコーコムはアジア各国のネット通販の成長性を有望視しており、また海外に長期滞在、永住する日本人が100万人超いることから、需要が見込めると判断した。

 改正薬事法にもとづく厚生労働省令で、6月から比較的リスクの大きな第1類、第2類の大衆薬は通販が原則禁止され、ケンコーコムの6月の大衆薬売り上げは前年から6割減になるなどの影響が出た。同社は規制を違法/違憲として、国に対し省令の取り消しなどを求めて訴訟を起こしている。ただし「外観的に存在する法を無視することはない」としてサイト自体は省令に従って営業している。

■関連情報
・ケンコーコムのWebサイト http://www.kenko.com/