写真1●ネットワーク帯域や端末種別に応じてデスクトップ環境を最適化する「FlexCast」
写真1●ネットワーク帯域や端末種別に応じてデスクトップ環境を最適化する「FlexCast」
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写真2●仮想デスクトップでのマルチメディア・アプリケーション実行などを高速化する「HDX」
写真2●仮想デスクトップでのマルチメディア・アプリケーション実行などを高速化する「HDX」
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写真3●XenDesktop 4の価格体系
写真3●XenDesktop 4の価格体系
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 シトリックス・システムズ・ジャパンは2009年10月26日,デスクトップ仮想化ソフト「XenDesktop」にアプリケーション仮想化ソフト「XenApp」を統合した新版「Citrix XenDesktop 4」を発表した。仮想デスクトップ環境を6種類用意。ノートPC利用時は仮想マシン・イメージの同期,定形業務時はOSデスクトップ環境の共用による画面転送型の利用といったように,ユーザーの利用環境に応じて仮想デスクトップ環境を切り替えられる。同年11月16日に提供を始める。

 XenDesktop 4は,XenDesktopにXenAppの機能を統合したデスクトップ仮想化ソフト。仮想マシンやOSの仮想環境,およびブレード・サーバーなどの実機に仮想デスクトップ環境やアプリケーションを配置し,画面転送型やイメージ配信型のクライアント・ソフトから仮想デスクトップやアプリケーションを利用する。従来からXenDesktopの上位製品でXenAppの同梱版を用意していたが,実機をサーバーとしたXenAppの利用ができないなどの制限があった。今回のバージョンでは機能群を「FlexCast」として再構成し,XenAppとの完全統合を実現した(写真1)。

 利用可能な仮想デスクトップ環境は,(1)ブレード・サーバーによる画面転送型,(2)仮想マシンによる画面転送型,(3)OSデスクトップ環境の画面転送型,(4)OSデスクトップ環境の定形業務向け画面転送型,(5)デスクトップ環境のイメージ・ファイル配信,(6)ローカル仮想マシンの配信--の計6種の仮想デスクトップ環境を用意する。6環境は,あらかじめ設定したポリシーに応じてユーザーやデバイスに提供。ネットワーク帯域や端末種別に応じて利用するデスクトップ環境を最適化できるとする。

 そのほかの機能面では,これまで追加してきたマルチメディア・アプリケーションの高速化技術などを「HDX」を冠した機能群としてフル実装(写真2)。Flashコンテンツの再生をローカルPCで実施する「HDX MediaStream for Flash」,3次元CAD/CAMなどのレンダリングをローカルPCで実施する「HDX 3D」,データやグラフィックスをキャッシュする「HDX IntelliCache」などを用意する。

ユーザー/デバイス単位の課金に切り替え

 XenDesktop 4では,課金体系も変更する。これまでの同時接続数に応じた課金を主体とする体系から,ユーザー/デバイス数を主体とする課金体系に切り替える。一人のユーザーがデバイスやネットワークに応じて複数の仮想デスクトップ環境を使い分ける利用シーンなど製品の性格が変化したことに合わせた。

 具体的には,ユーザーまたはデバイス数に応じたライセンス課金となる(写真3)。1ユーザー/デバイス当たりの価格は,仮想マシンおよびブレード・サーバーによる画面転送型を利用可能な「VDI Edition」が1万3700円,VDI Editionにローカル仮想マシンの配信やHDX 3Dなどを追加した「Enterprise Edition」が3万2200円,HDX IntelliCacheやSLA監視機能などを備えるフル機能版の「Platinum Edition」が5万100円。なお利用率によってはライセンス負担が上昇するユーザーが想定できるため,エントリー製品の「VDI Edition」に限り2009年12月から同時接続数ライセンスの提供を始める予定。

 アプリケーション仮想化製品のXenAppについては単独の製品も併売する。一方で,XenAppや旧Presentation ServerユーザーのXenDesktop乗り換えを促進する「XenDesktop 4トレードアッププログラム」を実施。実機や仮想マシンで個々の実行環境を分離できるXenDesktopの訴求を強化する。全ライセンスを切り替えるユーザーはXenAppの1ライセンスをXenDesktopの2ライセンスに移行できるため,最大80%の乗り換えコスト削減が可能とする(Platinum版を利用した場合)。この乗り換えプログラムは2010年6月30日まで実施する。

[発表資料1]
[発表資料2]
[発表資料3]