日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は2009年10月23日,一部メディアで報道されたICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)事務総長のロッド・ベックストロム氏の発言についてWebサイトにコメントを掲載した。この報道とは,10月22日に東京で記者団に対して「IPv4アドレスの新規割り振りが2010年10月に終了する見通しである」旨の発言をしたというもの。

 JPNICのコメントによれば,多くの関係者による現在の予測では,IANA(Internet Assigned Numbers Authority)から世界各地域の地域インターネット・レジストリ(日本を含むアジア太平洋地域はAPNIC)へのIPv4アドレスの最終割り振りは2011年後半と予測しているという。

 10月23日現在,IANAにあるIPv4アドレスの残り在庫は/8が26ブロックあり,APNICチーフ・サイエンティストであるジェフ・ヒューストン氏の予測ではIANAの在庫がなくなると見られるのは2011年11月である。

 コメントの中でJPNICは,「“2010年10月”という現在の予測と異なるベックストロム氏の発言の裏付けとなるような新しい情報は現時点では得られておらず,IPアドレスを管理するインターネット・レジストリの中で大きく方針転換された事実もない」としている。

 なおベックストロム氏は,Twitterでこの件に関連するとみられるつぶやきを投稿している。

[JPNICの発表資料]