米Amazon.comは米国時間2009年10月22日，同年第3四半期の決算を発表した。売上高は54億5000万ドルで前年同期の42億6000万ドルから28％増加した。電子書籍リーダー「Kindle」が好調だった。純利益は1億9900万ドル（希薄化後の1株当たり利益は0.45ドル）で前年同期の1億1800万ドル（同0.27ドル）と比べ68％の大幅増益となった。営業利益は前年同期比62％増の2億5100万ドル。
同社設立者兼CEOのJeff Bezos氏によると，Kindleは同社ECサイトのエレクトロニクス部門だけでなく，全カテゴリにおいて販売台数と売上高ともに首位アイテムとなっている。
地域別に見た場合，北米地域（米国およびカナダ）の売上高は28億4000万ドルで前年同期から23％の増収。海外部門（英国，ドイツ，日本，フランス，中国）の売上高は26億1000万ドルで同33％増加した。
事業別の売上高は，メディア部門が29億3000万ドルで前年同期比17％増。家電・日用品部門は23億6000万ドルで，同44％拡大した。
同社は第4四半期の業績見通しについても明らかにした。売上高は81億2500万～91億2500万ドル（前年同期比21～36％増）の範囲，営業利益は3億～4億2500万ドル（同10％～56％増）の範囲と予測している。
米メディアの報道（New York Times）によると，アナリストの予測は，第3四半期の売上高が50億3000万ドル，1株当たり利益が0.30ドルだった。第4四半期の売上高については，81億1000万ドルと見ている。
併せてAmazon.comは，Kindle対応の電子書籍をパソコン上で読めるようにするアプリケーション「Kindle for PC」の無償提供を11月より開始すると発表した。同期機能「Whispersync」を備えており，Kindleなど他のデバイスで付けたブックマークをそのまま維持できる。つまりKindleで途中まで読んだ電子書籍の続きを，パソコンで読むことが可能。対応OSはWindows XP（SP2以降），Windows Vista，Windows 7。
同社は，10月19日に米国外でも利用可能な国際版「Kindle with U.S. ＆ International Wireless」の出荷を開始したが（関連記事：米Amazon.comが世界で使えるKindle発売，日本からの利用も可能 ），この価格を279ドルから259ドルに値下げしたことも明らかにした。
