写真1●ACCESSが初披露した携帯端末「ELSE」
写真1●ACCESSが初披露した携帯端末「ELSE」
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写真2●ACCESSの鎌田富久社長
写真2●ACCESSの鎌田富久社長
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 携帯電話や情報家電向けのソフト開発を手がけるACCESSは,2009年10月22日,新しい携帯端末向けプラットフォーム「ELSE INTUITION」を発表した。次世代携帯端末の企画を手がけるイスラエルEmblaze Mobileと共同開発したもの。同時に,ELSE INTUITIONを搭載した初の携帯端末「ELSE」(写真1)も披露した。

 ELSE INTUITIONは,ACCESSが提供する携帯端末向けプラットフォーム「ACCESS Linux Platform v3.0」(以下ALP)上に,両社が共同開発したユーザー・インタフェース(UI)や機能を搭載したものである。「2年かけて共同開発した。使い勝手を左右する機能を一から見直し,いかに短い手順で目的を遂げるかを追求した。すべての操作は片手でできるようになっている」と鎌田富久社長(写真2)は説明する。

 UI部分の見直しにはもう一つ,携帯端末のアプリ開発の考え方を根本的に変えるという狙いがあった。「顧客である端末メーカーやキャリアは常に,差別化できるサービスを求めている。ロジックとUIを完全に切り離すことにより,こうした要望に応えやすくなる」(同)。

 今後の事業展開について鎌田社長は,「当社はメディアサービス,アプリケーション,プラットフォームの三つの事業を展開しており,収益面で貢献しているのはNetFrontブランドで展開しているアプリケーションだ。しかし今後は,三分野のシナジー効果で全体を大きく伸ばしたい」と語った。

 同社によれば,NetFront製品の搭載端末は累計8億台を超え,最近1年間で約2億台増えたという。日本の携帯端末台数が伸び悩むなか,北米のほか中国などの新興市場に支えられている部分が大きい。ALPによるプラットフォーム事業を世界規模で展開することで,事業拡大の弾みにしたい考えだ。

 ELSEの正式発表は2009年11月24日,海外で行われる予定。現在海外の大手キャリア数社が評価中という。