米Sun Microsystemsは最大3000人の従業員を削減する計画を,米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかにした。2009年10月20日付けの同書類によると,今後12カ月で北米,EMEA(欧州/中東/アフリカ),APAC(アジア太平洋),および新興市場を対象に計画を実施する。

 同社は,米Oracleによる買収の手続き完了が遅れていることから,戦略的な事業目的とリソースを一致させるため,同社役員会がこの削減計画を承認したと説明している。

 同計画に伴う費用は合計7500万~1億2500万ドルにのぼる見通しで,2010会計年度(2010年6月締め)第2四半期と第3四半期に計上する予定。

 OracleとSunは,74億ドルにのぼる買収計画に合意したことを今年4月20日に明らかにした(関連記事:[速報]オラクルが74億ドルでサンを買収)。7月16日にSunの株主総会で同計画の承認を取り付け(関連記事:Sun,Oracleによる買収案を株主総会が承認),8月20日には米司法省が承認を発表した(関連記事:OracleのSun買収計画,米司法省が承認,ECの判断待ちへ)。しかし欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は9月3日,徹底的な調査に乗り出したことを発表。SunとOracleは2010年1月までECの最終判断を待つことになった(関連記事:OracleのSun買収計画,ECが詳細な調査へ,最終判断は来年1月)。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,3000人という数字は全従業員の10%に相当する。OracleのCEO,Larry Ellison氏は先月,承認を待つ間にSunは1カ月当たり1億ドルを損失していると語った。また,アナリストの中には,Oracleが取引完了後に最大1万人の削減を行う可能性が高いとみている者もいる。

 なお,Sunは昨年11月にも,5000~6000人規模の人員削減計画を発表している(関連記事:Sun,最大6000人を削減へ,全従業員の18%に相当)。

[SunのSECへの提出書類]