米Microsoftは米国時間の2009年10月19日,同社の主力開発ツールの次期バージョン「Visual Studio 2010(VS2010)」の「ベータ2」を公開したと発表した。同社の会員サービス「MSDN(Microsoft Developer Network)」でのダウンロードは既に開始しており,10月21日には一般向けのダウンロードも始める。VS2010の製品版の出荷を,2010年3月22日に始めることも明らかにした。

 Visual Studio 2010は,2007年11月に出荷が始まった現行製品「Visual Studio 2008」の後継となる。実行環境「.NET Framework」の新バージョン4.0を搭載し,動的言語サポート,並列プログラミング関連機能の追加,実行環境のサイズを抑える「クライアント・プロファイル」の改良などを行う。統合開発環境は使い勝手を改良し,設計からコード,テスト,デバッグに至るすべての開発作業を効率的に行える。WPF(Windows Presentation Foundation)とSilverlight開発でのドラッグ&ドロップ編集の強化なども注目ポイントだ。

 Visual Studio 2010では,パッケージングを変更することも今回明らかにした。主要3種は,上位から「Visual Studio 2010 Ultimate with MSDN」「Visual Studio 2010 Premium with MSDN」「Visual Studio 2010 Professional with MSDN」である。Ultimateは設計から配布までのアプリケーション・ライフサイクル管理を実現する包括的なパッケージ,Premiumはスケーラブルで高品質なアプリケーションを開発できる完全なツールセット,Professionalは基本的な開発タスクを行えるものだという。

 今回Microsoftは,MSDN会員への新特典も発表した。「Visual Studio Team Foundation Server 2010」(未リリース製品)への無制限アクセス,同社のクラウド・サービス「Windows Azure」を使った開発を可能にすること,年に40時間までのEラーニングを提供することだ。

■変更履歴
記事の冒頭で「2009年10月29日」としていましたが,「2009年10月19日」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/11/02 12:40]