写真●富士通研究所が開発した盗難・紛失PCのデータ自動消去技術の概要
写真●富士通研究所が開発した盗難・紛失PCのデータ自動消去技術の概要
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 富士通研究所は2009年10月19日,PCの盗難や紛失による情報漏えいを防止するデータ保護技術を開発したと発表した。暗号化されたハードディスクを認証済みPC以外の装置で起動した場合に,暗号鍵の消去や起動制限を実施することで,内部のデータを読み出せないようにする。一部ハードディスクで搭載が進んでいる業界標準の暗号化機能に,自動消去/起動制限機能を追加して実現した。

 同技術は,Trusted Computing Group(TCG)が2009年1月に策定したストレージ制御チップ向け暗号化仕様「Opal Security Subsystem Class(Opal SSC)」に準拠したハードディスクと,パソコン起動時に認証と暗号鍵の自動消去などを実施するソフトウエアで構成される。Opal SSCは起動時に認証用アプリケーションを実施する仕様を含んでおり,同仕様の枠組みに暗号鍵の消去機能と起動制限機能を追加する(写真)。

 同技術によるデータの保護強度は,構成するソフトウエアの実装手法で判断できる。富士通研究所は同年10月26日に富山県で開催される「コンピュータセキュリティシンポジウム2009」で詳細を発表する予定。2010年度の実用化を目指すという。

[発表資料]