写真1●手のひらサイズの小型HDテレビ会議システム「Passport」の本体を手に取るLifeSize Communications社CEO兼共同創業者のCraig Malloy氏
写真1●手のひらサイズの小型HDテレビ会議システム「Passport」の本体を手に取るLifeSize Communications社CEO兼共同創業者のCraig Malloy氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●LifeSize PassportとLifeSize220シリーズの競合製品に対する位置付け
写真2●LifeSize PassportとLifeSize220シリーズの競合製品に対する位置付け
[画像のクリックで拡大表示]

 ライフサイズ・コミュニケーションズは2009年10月19日,HDテレビ会議システムなど5製品を発表した。手のひらサイズの小型HDテレビ会議システム「LifeSize Passport」を約40万円からのエントリ製品として追加。また,8拠点対応の多地点接続機能を加えた「LifeSize Room 220」などの中上位製品も拡充した。同年11月から順次販売を始める。

 エントリ製品のPassportは,解像度が720p,フレームレートが30フレーム/秒のHDテレビ会議端末(写真1)。最大利用帯域は2Mビット/秒。本体の外形寸法は幅206×奥行き121×高さ33mmと手のひらサイズで,本体以外にHDカメラ,マイク,リモコンで構成する。同社として初めてSkypeによる音声通話端末の機能を統合。Skypeのコンタクトリストが使える音声会議端末としても利用できる。このSkypeとの統合について,「今後はPassport以外の製品ラインに広げる予定」(LifeSize Communications CEO兼共同創業者のCraig Malloy氏)という。

 Passportの価格は,同梱するHDカメラが固定フォーカスのwith Focusモデルは39万8000円,パン/チルト/ズーム(PTZ)対応のwith PTZモデルは49万8000円(いずれも税抜き)。2009年11月に販売を始める。

 もう1つのLifeSize 220シリーズは,従来機の200シリーズの仕様を強化した後継機。下位モデルの「Express」とデュアル・モニター対応の「Team」については解像度を720pから1080pに上げ,多地点接続装置(MCU)内蔵の上位モデル「Room」については接続拠点数を6から8に増やした。新製品の価格はExpress 220が99万8000万円,Team 220が200万円,Room 220が280万円(いずれも税抜き)。販売開始は2009年内を予定する。

全国規模の導入でのコストメリットを訴求

 米LifeSize Communicationsは,映像品質をなるべく落とさず圧縮率を高めるためのASICや,ネットワークの実効帯域に応じて多段階に画質を切り替える「Adaptive Motion Control」技術などで,ネットワーク品質に対する画質や価格性能比の高さを売りにするHDテレビ会議専業メーカー。LifeSizeの国内総代理店である日立ハイテクノロジーズは,今回追加した製品群で「主要拠点だけの導入で留まっていたユーザーが全国規模での導入に踏み切れる価格のソリューションを用意できる」(ITソリューション営業本部の日置範行本部長)と見る(写真2)。

 HDテレビ会議の中小規模向け製品は,80万円前後の価格帯で最大手のポリコムジャパンやソニーがしのぎを削る状態。LifeSizeの従来のエントリ製品であるExpress Focusも69万8000円と価格競争力面で劣っていなかったが,今回のPassport投入で一気に約40万円とさらに半額近くにまで下げた。これにより,出張経費削減やBCP構築に取り込む企業に対して大規模導入でのコストメリットを訴求する。

 さらに,Passportは在宅勤務用の端末としての利用も見込んでいる。「家庭のテレビがHD対応に置き替わっていく以上,リビングでテレプレゼンスが近い将来現実のものになる。家庭のリビング向け製品について,通信事業者と協力しながら研究開発を進めている」(LifeSizeのCraig Malloy氏)という。

[発表資料]