日経BP社は2009年10月15日,「第8回日本イノベーター大賞」の受賞者を決定したと発表した。大賞にはプログラミング言語Rubyの開発者であるまつもとゆきひろ氏が選ばれた。

 日本イノベーター大賞は,日本の産業界で活躍する独創的な人材にスポットを当てることにより,日本に活力を与えることを目的に日経BP社が創設した賞。2002年に創設され,今年で8回目となる。新しい産業やビジネスモデル,将来を支える新技術,世界に通じる新しい価値を作り上げたことによって,日本に活気をもたらしたイノベーターを表彰している。

 まつもとゆきひろ氏はネットワーク応用通信研究所 フェロー,楽天技術研究所 フェローおよびRubyアソシエーション理事長を務める。まつもと氏が開発したオープンソースのプログラミング言語Rubyは,開発効率が高く,ミニブログのTwitterが採用するなど海外を中心に開発担当者から支持を獲得し注目されていることが受賞理由。

 優秀賞には,地雷除去用の建機を開発した山梨日立建機 社長 雨宮清氏と,海水の淡水化に必要とされる技術を開発した阿波製紙 社長 三木康弘氏が選ばれた。

 山梨日立建機が開発した建機は,地雷除去作業を大幅に効率化。アジアなど6カ国で68台が稼働し,地雷に苦しむ各国の復興を後押ししている。

 阿波製紙は,地場の伝統産業である和紙の紙すき技術を応用し,海水の淡水化に必要とされる逆浸透膜の支持体を開発した。

 また日経ビジネス創刊40周年特別賞には,KEN OKUYAMA DESIGN代表の奥山清行氏が選ばれた。奥山氏はフェラーリなどを手がけた世界的デザイナーで,故郷である山形に工房を立ち上げ,伝統産業にデザインとマーケティングの新風を吹き込んだ。

 日本イノベーター大賞の選考委員長は三菱総合研究所理事長 小宮山宏氏,選考委員は東京大学教授 坂村健氏,伊藤忠商事会長 丹羽宇一郎氏,バンダイ取締役 松永真理氏,オリックス会長 宮内義彦氏,一橋大学教授 米倉誠一郎氏が務めた。

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日本イノベーター大賞2009