写真1●シスコのデータセンター向け製品のロードマップ
写真1●シスコのデータセンター向け製品のロードマップ
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●ラックマウント型のUCS Cシリーズは2010年に先行投入<br>UCS 5100/6100との統合管理は2010年夏がめど
写真2●ラックマウント型のUCS Cシリーズは2010年に先行投入<br>UCS 5100/6100との統合管理は2010年夏がめど
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●管理機能付きスイッチのUCS 6100とブレード・サーバーのUCS 5100
写真3●管理機能付きスイッチのUCS 6100とブレード・サーバーのUCS 5100
[画像のクリックで拡大表示]
写真4●他社製サーバーへのOEM向けFCoEスイッチ・モジュール
写真4●他社製サーバーへのOEM向けFCoEスイッチ・モジュール
[画像のクリックで拡大表示]

 シスコシステムズは2009年10月15日、データセンター向けソリューションに関する説明会を開催。同社初のサーバー製品となる「Cisco Unified Computing System」の最新ロードマップを明らかにした(写真1)。日本では2010年初頭にラックマウント側サーバーの提供を開始。2010年夏をめどに統合管理ツールを投入して本格攻勢をかける。

 シスコのCisco Unified Computing System(UCS)の特徴の1つは、サーバー、ストレージのネットワークをイーサネットに一本化し、ケーブリングや運用管理の負担を減らせること(関連記事)。具体的には、UCSの足回りとしてFCoE(Fibre Channel over Ethernet)対応のスイッチ製品「Nexus」シリーズ(国内で提供済み)を使いLAN/SANの統合を実現。UCSおよびUCS内の仮想サーバーは、FCoE対応NIC、および仮想サーバー向けのFCoE対応仮想NICを通じてFCoE対応SANにアクセスする。これにより、リソースのアドレス管理を一本化できるなど柔軟な構成変更が可能となる。同社はこの構成を「Data Center 3.0」と呼ぶ。

 UCS国内出荷の先兵としてまず登場するのは、ブレード型の「Cisco UCS 5100」、UCSの肝である柔軟な構成変更などを実現するための管理モジュール「Cisco UCS 6100」、そのGUIとなる「Cisco UCS Manager」である。ラックマウント型サーバーのUCS Cシリーズは、その後の登場となる。ただしUCS Managerを使ったUCS Cシリーズの統合管理機能は、2010年に米国で出荷、2010年夏をめどに国内展開を始める(写真2)。UCS Cシリーズは「サーバー管理者にとってなじみやすい製品」(プロダクトマネージメントの河野真祐プロダクトマネージャ)として出荷する計画。このため,当面はFCoE対応スイッチのNexusシリーズによるLAN/SAN統合とUCS 5100/6100の組み合わせ(写真3)がData Center 3.0の実体となる。

 また、UCS自体の改善に合わせて、同社のPCサーバーによるアプライアンスの一部についてUCSベースで提供できるように開発中なことを今回の説明会で明らかにした。「WAN高速化のWAASシリーズやUnified Communications Managerなどの機器はUCSベースに切り替えていく」(アーキテクチャ&テクノロジ事業統括の石本龍太郎マネージングディレクター)とする。またUCSにサーバー仮想化ソフトを組み合わせて、複数機能を統合した仮想アプライアンスとすることも視野に入れているという。

 なお、Nexusシリーズについては、他社製ブレード・サーバーへのFCoEスイッチ・モジュール「Nexus 4000」を2009年9月に発表した(写真4)。Nexusシリーズと同様にFCoEを使ったネットワーク統合を進める製品として、SAN大手の米Brocade Communications Systemsもサーバー・メーカー向けにOEM提供している。今回のNexus 4000は、この動きをけん制し市場をいち早く押さえる製品となる。ただしNexus 4000を装着したブレード・サーバーは、UCSの一部としては動作しない。「UCSの管理ツールの対象はUCS製品だけ」(河野プロダクトマネージャ)という。

■変更履歴
Cisco UCS 5100/6100の国内本格出荷時期を2010年夏としておりましたが,2010年初頭の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/10/19 19:50]