中堅IT企業のアイネットは2009年10月13日、仮想化環境の運用代行サービス「VOCサービス」を20日に提供開始すると発表した。利用企業の社内外にあるサーバー運用を一括で代行して、仮想化環境の運用の手間を低減する。料金は「仮想化環境の安定運用、仮想マシンの作成や移動の代行、管理状況のレポート作成といった標準的なサービスで月額30万円となる」(アイネットの田口勉常務取締役事業統括)。

 VOCサービスの特徴は、利用企業の社内にあるサーバー仮想化環境の仮想マシンも、社外のホスティングサービスの仮想マシンも一括で運用する点にある。利用企業からは社内の仮想マシンも社外の仮想マシンも同一の動作環境に見えるようにする。システムの特性に応じて社内と社外を選択して仮想マシンを作成できるため、リソースの利用効率を高められるという。

 利用企業向けには管理用のポータルサイトを用意する。仮想マシンを作成する場合には、利用企業がポータルサイト上で、社内か社外か、CPUの処理速度、メモリー容量、ストレージ容量などを選択するだけで済む。利用企業のIT管理者は仮想化技術に関する専門知識を習得する必要がないため、自社の人的リソースをアプリケーション開発に集中させられる。

 同時に仮想化環境のホスティングサービスや、利用企業内への仮想化環境の構築支援サービスも提供を開始する。構築からホスティング、運用代行まで含めたオールインワンのサービスを「VAiOS」ブランドで展開する。「設計から運用まですべて提供することで、仮想化のメリットである運用コスト削減の効果を引き出せる」(サービスを共同企画したヴイエムネットの津村英樹社長)という。