IMAGICAは2009年10月13日,DVD-R複製サービス「DVD-RoD(DVD-R on Demand)」を10月に開始すると発表した。同サービスは,DVDとして大量生産が難しい作品向けに,コピー防止用のデータ暗号化技術「CSS(Content Scrambling System)」付きのDVD-Rコピーを低コストで行う法人向けの複製サービスである。市販のDVDビデオ・パッケージと同じコピー・プロテクション技術である「CSS」を採用しているため,幅広い機器で再生できる。
同サービスでは,DVD-Rのコピー,レーベルやジャケット印刷,製品化から発送まで,すべてをまとめて提供する。従来のまとまった数量単位のDVDプレスではなく,DVD-Rコピーとしてディスク1枚単位の受注体制を実現した。このため,特定のユーザーに向けた少数ロットのディスク販売に対応できる。配給会社や制作会社など,コンテンツ・ホルダーからの注文に応じて必要な枚数だけ作業を行うため,これまでのようにDVDプレス用のカッティングマスターを制作したり,ディスクやジャケットなどの在庫を管理したりする必要がない。その結果,DVDプレスの初期費用や,発売後の管理費用を低コストに抑えられる特徴があるという。
「DVD-RoD」の具体的な活用例として同社は,販売終了タイトルの再発売用としての簡易版制作や,サンプル版の制作を挙げる。本編のみの単純なオーサリングであれば制作時間が短縮でき,簡易版,サンプル版に適しているという。また「DVD-RoD」で本編のみの簡易版を販売し,市場の動向を見て再度仕様の構成を行い,メニュー,チャプターを追加したDVDとして発売しなおすといった利用も可能だという。
セキュリティ面では,同社はDVD Download規格に準拠したDisc/Drive向けのライセンス「Qflix」の認定を受けている。「DVD-RoD」はこの「Qflix」方式を採用し,安全で信頼性の高いDVD-Rの複製サービスを提供するという。
IMAGICAは今後,Blu-ray Disc制作サービスにおいても,BD-Rを用いて「DVD-RoD」と同様のサービスを提供できるよう,取り組みを続ける方針である。
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