米連邦通信委員会(FCC)は,米Googleの音声通信管理サービス「Google Voice」が一部地域への通話を制限していることについて調査を開始し,Googleに回答を求める書簡を送った。

 米国時間2009年10月9日付けの書簡では,Google Voiceのシステムや機能,特定の電話番号への発信制限の有無を尋ねている。制限している番号がある場合,該当する番号と,その遮断技術などについても説明を求めている。回答期限は10月28日。

 Google Voiceの発信制限に関しては,米AT&Tが「FCCのInternet Policy Statement(インターネット政策宣言)に違反している」として9月にFCCあてに意見書を提出した。AT&Tは,FCCが通信事業者に対して地域キャリアへの接続を制約することを禁じているが,Googleがこれを無視し,地域キャリアとの接続にかかる支出を回避していると主張した(関連記事:「Google Voiceはインターネットの原則に違反している」とAT&Tが申し立て)。

 Googleは今回のFCCの動きを受け,Google Voiceで発信制限を設けていることについて「理由は簡単だ。一部地域キャリアは接続料に法外な価格を付けており,また,アダルト系チャットなどのサービスと手を組んでいる。Google Voiceは無償アプリケーションであり,全ユーザーに無償で提供し続けるつもりだ。ばかげた高額な接続料を支払えば,この方針を維持できなくなる」と説明した。

 またGoogleは,「AT&TはGoogle VoiceやSkypeなどのWebアプリケーションも,従来の電話サービスと同様に扱おうとしている。しかし,この問題はネットの中立性や地域の通信事情とは関係ない。問題は,時代遅れのキャリア補償の法規であり,FCCによって改訂あるいは撤廃されるべきものだ」と反論した。

[FCCのGoogleへの書簡(PDF文書)]
[Googleの公式ブログへの投稿記事]